2018年02月03日

スルタノフとプロフ

スルタノフはウズベキスタンの出身ですが、ウズベキスタン料理で有名なものの1つに「プロフ」というものがあります。これは、ピラフを想像するとよいですが、中央アジアではよくあるように、肉は羊肉がよく使われます。

ウズベキスタンのプロフ - ロシア・ビヨンド

スルタノフは、この「プロフ」がとても好きだったといいます。家でもよく自分で作ったようですし、スルタノフ夫人も未だに作って食べるようです。

昨年、モスクワのスルタノフご家族(ご両親、弟のセルゲイさんとそのフィアンセ)を当支援会を中心とした日本人ファン一同で訪問した時に、スルタノフのお父様(ファイザルさん)が、歓迎のためのプロフを作って下さいました。ウズベキスタンでは、プロフは男性が作ることが多いようです。
その時の写真を共有させて頂きます。
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この時は日本人ゲストが多かったため、日本人の味覚にあわせて、羊肉ではなく牛肉を使って作って下さいました。しかし、この写真のプロフこそ、スルタノフが幼いころから食べていたものであり、演奏のパワーの源であったのだと思います。

さて、スルタノフとプロフといえば、もう1枚貴重な写真があります。
これは、1997年に撮影されたものですが、こちらはスルタノフ自身が料理した時の写真です。
奥様の証言によると、毎日料理するわけではなかったけれど、時々料理するプロフの味は絶品で、シェフとしてもすばらしかったとのことです。
Alexei and his plov 1997.jpg

プロフは日本のレストランでも食べれるところがありますし、是非スルタノフの食生活にならって、パワーいっぱいでピアノ演奏をしてみた方は、お試し下さい。
posted by Murakami at 21:48| Comment(0) | ご家族

2018年01月28日

MOOK本ピアニストシリーズ

先日、最新版の「ピアノ&ピアニスト」MOOKにて、スルタノフが掲載されたお話についてを当ブログに書きました。
最新ピアノ&ピアニストにて紹介されています: アレクセイ・スルタノフ情報

この本は5年に1度くらいの間隔で出版されるのですが、ありがたいことにスルタノフも毎回小さいながらも掲載されています。そこで、過去にどういう著者がどういう取り上げ方をしてきたのかを、確認してみたいと思いました。

手元にある最も古いものが1998年出版の「オントモ・ムック/ピアニスト名盤500」です。

執筆:原 明美さん
紹介CD:TELDECのロシアピアノソナタ集
内容:まだピアニスト現役時代の紹介文。ショパンコンクールまでの略歴とショパンコンクールでの内容。ロシアものへの推薦など。

次に2003年出版の「ピアノとピアニスト2003」です

執筆:原 明美さん
内容:2003年ですから既に闘病中のはずですが、特にそのことについての言及はありません。文字数制限もあり、同じ著者なので、前回書いた内容をサマリーしたものになっています。

続いて2007年(2008)に発売された「Piano&Pianist 2008」


執筆:結城亨さん
内容:スルタノフが亡くなった後、2007年の内容で、それについての記載もあります。文字数少ない中で、ショパンコンクールのことや、演奏に関する特徴がポジティブに記載されています。なお、初来日はショパンコンクール直後と記載されていますが、91年にも来日しています。

最後に、前回の版である「新編 ピアノ&ピアニスト」。2012年末に出版されています。

執筆:真嶋雄大さん
内容:簡単なキャリアの紹介だけで、ピアニストとしての特徴などには触れず。つまり、これを読んで、知らない人が「聴いてみたいな」と思うことはありません。

最新出版のあわせて、手持ちには5冊ありますが、また2022年の末あたりには新しい本が出版されるのではないかと思います。そこにも、スルタノフが掲載されれば、それは大変嬉しいことですし、文字制限がある中であっても、スルタノフを知らない読者が一読して「聴いてみたいな」と思う形で紹介されればいいなと思います。
posted by Murakami at 17:32| Comment(0) | メディア

2018年01月20日

1989年ポートランドでのコンサート情報

インターネットでは、時に本当に貴重な情報が見つかることがあります。
本日ご紹介するのは、1989年10月8日(日)に、スルタノフがポートランド州立大学でのコンサートをした時のプログラム情報です。

Sultanov Program − Portland Piano International
画像をクリックすると、当日のプログラムが見れて面白いです。直筆のサインも見れます。

この日のプログラムは以下になっています。
ハイドン  :ピアノ・ソナタ 変ホ長調 Hob.XVI-49
ショパン  :スケルツォ第2番 嬰ハ短調 op.31
スクリャービン:ソナタ第5番 op.53
リスト    :メフィスト・ワルツ
プロコフィエフ:ピアノ・ソナタ第7番 変ロ長調 op.83

1989年というのは、ヴァン・クライバーンに優勝した年でもありますが、上記プログラムは、スクリャービンのソナタ5番を除き、コンクールで弾いたプログラムとほとんど重なります。また、そのスクリャービンも 1986年の時には既にレパートリに持っていますので、弾きなれたプログラムだったと思います。
参考:1989年ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクール

今、日本でスルタノフ・トリビュートでメフィスト・ワルツを弾く時は、リスト=ブゾーニ=ホロヴィッツ、や、スルタノフ編といった文字がついてますが、スルタノフ自身は特にそういうのを付けずに弾いていた、ということもわかります。

さて、このプログラムノートの中では、コンクールが19カ国38人からなるものだったことや、現在モスクワ音楽院の2年生であること、スルタノフはコンクール中聴衆のために弾いていたという証言、その年の10月18日にはコンクールの特別番組がPBSで放映されること、また NBCの Today Show や John Carson の Tonight Show、David LettermanのLate Night に出演したこともわかります。さらには、ジャズやロックを好み、テコンドー黒帯であることも記載されています。
しかし、この中でも特に興味深いのは家族構成に関する以下の記述です。
His 12-year-old brother is also a gifted pianist.

さて、この弟とは、もちろん現在日本によく来日するセルゲイ・スルタノフ氏のことであり、当時から彼も才能あるピアニストだと認識されていたことがわかります。

この時期の演奏はコンクールのライブ録音や、同じ年のポゴレリッチ・フェスティバル、さらには翌年のカーネギー・ホールのデビューコンサートなど、比較対象なものは残っていますが、この日はいったい、どんなコンサートだったのか、興味深いですね。
posted by Murakami at 23:36| Comment(0) | コンサート

2018年01月13日

ショパンのノクターン13番の演奏(11歳)

スルタノフが演奏するショパンのノクターン13番といえば、一般的には、ショパンコンクールの2次予選か、もしくは東京公演のライブ録音がよく聴かれていると思います。

スルタノフは本格デビューする前の、子供時代の録音も結構ご家族によって大切に保存されており、その一部はインターネットで確認が出来ます。スルタノフが11歳の時に演奏したものがあるのですが、今このツイートが少しBuzzっているのでご紹介したいと思います。




ツイートして下さった宮崎さんはネイガウスなどのロシアピアニズムを研究されている、才能あふれるピアニストで、私も大変尊敬している方です。11歳の時の演奏というと、そもそも録音の音質やピッチの問題もあり、また、成熟してからの演奏が残っている曲はあまり進んで聴いたりしないのですが、確かにこうお勧めされて聴いてみると本当に素晴らしい演奏です。「音の陰影」、「情感」、「時間感覚」、わかりますでしょうか。人によっては、20代で残した他の録音よりもこちらが好み、という方もたくさんいらっしゃるのではないかと思いました。
また、コンクールの時の演奏と、多少音が違うので、使っている楽譜なども異なるのかもしれません。5:28あたりの演奏が、意図的なのか、こういう版があるのか、興味深いところです。
6分少しの演奏ですので、11歳の時だからといってスルーすることなく、是非1度じっくり聴いてみて下さい!

参考:ショパンコンクールの2次予選での演奏
posted by Murakami at 18:31| Comment(0) | 演奏

2018年01月08日

最新ピアノ&ピアニストにて紹介されています

昨年末に発売されたムック本「最新ピアノ&ピアニスト」に、スルタノフは今回も掲載されています。

5年に一度くらい出版されるこの本ですが、今回は、ナウモフクラスを長年研究されている上田弘子先生がスルタノフの項目を執筆して下さいました。演奏家としての話だけでなく、そのレッスンにも触れて下さっています。
スルタノフはもちろん演奏家として活動していたわけで、どこかの音楽院で指導をしていたわけではないですが、マスタークラスは行っていたようです。そのことについてわかるのが、やはり上田弘子先生が執筆された、こちらの本です。


残念ながら、スルタノフが行ったマスタークラスの内容に関する記録というのは、少なくともインターネット上にはほぼ存在せず、私も「そういう瞬間があった」という数秒程度の動画断片を見たことがあるくらいです。かつて、スルタノフの弟のセルゲイ氏にこのことについて問い合わせてみたことはあったのですが、「実家のどこかに、ひょっとしたらビデオが残っているかもしれないけれども・・・・」という答えでした。残っていて、無事に発掘されることを祈りましょう!
レッスンも、録音・録画をしておかなければ、なかなか断片的なことさえ思い出すのも難しいかもしれませんが、受講されたり聴講するなど、立ち会われた方から、ちょっとした思い出なんかが出てくると未来の音楽家には嬉しいですね。
posted by Murakami at 21:47| Comment(0) | メディア