2019年12月18日

音源を判定する

先日YouTubeを歩き回っていると、ふと以下の録音を見つけました。



この録音、確かに2ページ目のところで、スルタノフの有名な内声弾きを行っているのですが、何回聞いても、私にはどうもスルタノフが弾いている気がしません。
そもそも情報として、1989年に17歳ではないというのもありますし、"SUPER RARE"としているのも怪しいです。

一方で、こちらはスルタノフが演奏した録音です。

もちろんライブの熱気もありますが、スルタノフらしい躍動感やリズムの取り方にあふれていると思います。

ふと気になって、詳しそうなロシア人2名に聞いてみましたが、彼らもスルタノフの録音ではない、といいます。
皆さんはどのように思いますか?お時間があったら、上の2つを聞いてみて下さい。
posted by Murakami at 21:36| Comment(3) | 演奏

2019年12月01日

1997年の東条町文化会館(コスミックホール)での来日公演の情報

スルタノフの来日公演については、当支援会のホームページにてまとめておりまして、その中に 1997年の情報も掲載しております。

1997年、アレクセイ・スルタノフ来日スケジュール

さて、読者様の中で、この1997年公演最初のコンサートである東条町文化会館(コスミックホール)での公演に行かれた方が、その時の資料をご提供して下さいました。ご興味のある皆様とも共有させて頂きたいと思います。

3月16日 東条町文化会館(コスミックホール) 18:30開演
全席指定 一般 3,500円 / 高校生以下 1,500円 (当日 500円増)
ハイドン: ピアノ・ソナタ 変ホ長調 Hob.XVI-49
ショパン: バラード第1番 ト短調 作品23
ショパン: スケルツォ第1番 ロ短調 作品29
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チャイコフスキー:ドゥムカ ハ短調 作品59 「ロシアの農村風景」
プロコフィエフ :ピアノ・ソナタ第7番 変ロ長調 作品83

まず以下は、当日のチラシです。基本的な構成は、1997年の東京公演と同じデザインのようですね。
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そしてこちらは会場で配られたものでしょうが、「音楽の友」1996年3月号に記載されたものから、スルタノフのエピソードが記載されたものになります。85年のショパンコンクール、86年のチャイコフスキーコンクール、89年のクライバーンコンクール、そして95年のショパンコンクールについて、かなりの情報が記載されていて一読の価値があります!
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最後に、当日のプログラムです。
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メモとして記載がありますが、アンコールは以下の4曲だったようです。
- ショパン:幻想即興曲
- ショパン:小犬のワルツ
- バッハ:平均律(第1巻より第1番プレリュード)
- ショパン:革命のエチュード

鳴りやまない拍手にこたえて、4曲のアンコールを弾いたのでしょう。貴重な記録だと思います。
情報ご提供者様に感謝申し上げます。

また、もしこのように、スルタノフ来日時の、チラシ、パンフレット、また写真や録音、サイン、などをお持ちの方がいらっしゃれば、是非ご連絡下さい。
posted by Murakami at 21:26| Comment(0) | 歴史

2019年11月24日

奏法に関する記事のご紹介

ロシアピアニズムを研究されている丸尾祐嗣さんが、「重力奏法を実現したピアニストたち」というタイトルで記事を書かれていますが、その中にスルタノフの記載もありご紹介したいと思います。

重力奏法を実現したピアニストたち

是非YouTubeで実演を見てみるとよいと記載されていますが、資料がなかったので、撮影角度や技術のバリエーションという点で、当ブログでは例えばこのリストのピアノソナタをご紹介してみたいと思います。
5:44あたりから、フレーズも美しいですが、タッチなど参考になります。
この動画は左手側からアップになるシーンも多く、スルタノフの立体的な音楽を支えているバスの出し方なども参考になります。
上記の記事を参考にしながら動画を視聴すると、より多くを学ぶことが出来ると思います。



スルタノフと同門のレフ・ナウモフ門下からは、アレクサンダー・コブリンとイリヤ・イーティンが紹介されています。
ナウモフ門下には、ガブリーロフやババヤン、ウラシンなど、有名ピアニストが並んでおり、研究はつきないことかと思います。
posted by Murakami at 10:52| Comment(0) | 一般

2019年11月17日

ホロヴィッツ 全録音をCDで聴く

「ホロヴィッツ 全録音をCDで聴く」という新刊が発売されました。その名の通り、ホロヴィッツの全録音について、その演奏や音質についてと、著者の感想・意見などが書かれていて、大変興味深い内容になっています。章の間にはちょっとしたコラムがあり、いずれも興味深いのですが、スルタノフファンとしては、「ホロヴィッツを知る4 作曲と編曲」が是非知っておくべき情報満載です。スルタノフがレパートリとしてきた、ホロヴィッツの各種録音の解説もありますし、また、巻末の全録音リストを見ると、この曲は弾いてみたのかな、など想像も膨らみます。
全録音の解説があるため当然ではありますが、1986年のモスクワ公演についても細かい記載があり、そのプロジェクトがどのように進行したか、から、モスクワでの公演がどのようなものであったかの詳細が記載されています。どれくらい詳細か、というと、コンサートに潜り込んだスルタノフ夫妻の話まで入っているほどです。
さらには、晩年のホロヴィッツが、若きクレショフやスルタノフと、どのように接したかのかについても、記載されています。当ブログでも、スルタノフ側の視点から、ホロヴィッツとの接点をご紹介したことがありましたが、ホロヴィッツの人生の時間軸で見ていくと、こちらもまた面白いです。

全500ページの力作で、スルタノフの書籍と同じく、アルファベータブックス社から出版されています。
ご興味ある方は、是非読んで頂くと、いろいろと興味深いことが学べると思います。
スルタノフが生きていたら、熱狂的なホロヴィッツファンの1人として、きっとこの書籍を手にしていたことでしょう!


以下は当ブログで過去に紹介してきた、スルタノフとホロヴィッツに関するお話です。こちらも、ご興味あればご覧ください。
スルタノフとホロヴィッツ(妻 Daceとの出会い編)
スルタノフとホロヴィッツ(ご対面編)
スルタノフとホロヴィッツ(ホロヴィッツのピアノ編)
スルタノフとホロヴィッツ(ホロヴィッツ編を弾く)
スルタノフの演奏に見るホロヴィッツの影響(モーツァルト)
スルタノフの演奏に見るホロヴィッツの影響(モーツァルト)その2
スルタノフとホロヴィッツ(番外編)
posted by Murakami at 23:14| Comment(1) | お知らせ

2019年10月27日

1982年の演奏会ポスターのご紹介

スルタノフの過去のコンサート記録は、1989年以降そこそこあるのですが、幼少期の頃については、多少の録音はあるものの、あまり明確にはわかっていません。
その中で、旧ソ連時代のポスターで大変貴重なものが出てきましたので皆様にご紹介します。

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これは、1982年10月30日のコンサートのポスターです。スルタノフ少年は13歳だったことでしょう。
場所は現在のサンクトペテルブルクにあたる、レニングラードのレニングラード・フィルハーモニーの大ホールになります。指揮は、Zahid Khaknazarov、オーケストラはウズベキスタン交響楽団と共に、ショパンのピアノ協奏曲第2番 Op.21が演奏されました。

この日の録音は残されてはいないものの、若い頃に録音したコンチェルトの2番は多少記録があり、このポスターも当時のレパートリの1つにショパンの2番があったことを示すものになります。
なおセルゲイ氏の証言によると、ショパンの1番も子供の頃に勉強したかもしれないが、とのことでしたが、残念ながらこのポスターでの演奏は2番でした。

スルタノフのショパンのコンチェルトの2番と言えば、何といってもショパンコンクールのファイナルにおける名演です。是非あわせて演奏を聞きながら、ポスターを眺めてみて下さい。
なお、ロシア語でスルタノフは「СУЛТАНОВ」と綴ります。

posted by Murakami at 18:57| Comment(6) | 歴史