2018年11月17日

Sultanov Encoresシリーズ、ショパン 小犬のワルツ

Sultanov Encores シリーズの公式編(YouTubeのタイトルにそう記載されたもの)はこれが最後です。
嬉しいことに、こちらも1997年の大阪公演の録音になります。



なんとも幸せな演奏であることが、よく伝わると思います。
そして、この曲を知っている人にとっては、ところどころ「あれっ」と思うところがあります。
例えば、再現部に入る直前のこの4小節。右手の音が、楽譜とはちょっと違うのを感じることが出来るかと思います。
Chopin641.png
他にも、いろいろと工夫があるので、それらを感じながら聴いてみると楽しいかと思います。

さて、この曲は、スルタノフの定番のアンコールレパートリです。特に1997年の来日公演で多用された印象があります。一方で、国内で販売されたスルタノフ・プレイズ・ショパンのCDには入らず、ロシアで出回った"Unpublished Sultanov" には入ったものの、日本までは出回らず、再び聞きたいと思っていたファンも多いはず。
このように、YouTubeで共有されるようになり、本当にファンにとっては素晴らしい時代になりました。

この残された貴重な録音となった小犬のワルツを是非お楽しみ下さい!
posted by Murakami at 21:14| Comment(0) | 演奏

2018年11月10日

Sultanov Encoresシリーズ、ホロヴィッツ 変わり者の踊り

Sultanov Encores シリーズの5つ目は、大変貴重なこちらの録音、ホロヴィッツ作曲の「変わり者の踊り」です。



アンコールシリーズといいつつ、スルタノフがこの曲をアンコールで弾いた、という事実は確認されていません。この録音は、ロシアなどでひっそりと発売された「Unpublished Sultanov」というCDに入ったものとされますが、その録音背景などははっきりとはわかっていません。

スルタノフは実は当時ジャパンアーツから、ホロヴィッツ作品集を出版する企画がありました。それに向けて、各種の準備が進められており、このレパートリもその1つではなかったのかと想定されます。
今では YouTube もあり、またホロヴィッツの楽譜の多くは、有志が採譜したものが PDF で出回っている状況ですが、まだデジタル化が進んでいなかった当時は当たり前のことではありませんでした。スルタノフは 1999年の演奏旅行中に、これらの貴重な楽譜の多くを入手し、それがきっかけであったのではないか、とも推測されます。

スルタノフが演奏活動をしていた最晩年に録音されたと思われるこの音源、どうぞお楽しみ下さい。
posted by Murakami at 18:56| Comment(0) | 演奏

2018年11月04日

Sultanov Encoresシリーズ、バッハ プレリュード

Sultanov Encores シリーズの4つ目は、こちらの演奏です。1997年の大阪公演でのアンコールでの録音になります。



さて、この演奏は間違いなく、賛否両論があると思います。一応タイトルは、「Bach Prelude in C」となっており、平均律1巻のプレリュードを弾いているのですが、聞いたことのないテンポで演奏されています。
この曲を聴く場合は、バッハのプレリュードが演奏されているとするよりは、新しい演奏のアイディアが提示されていると考えたほうがよいかと思います。よく聴いてみると、ダイナミクスやパッセージの作り方など、個性豊かな演奏になっていますので、第一印象で決めずに、一度じっくり聴いてみて下さい。

スルタノフは主に1997年のシリーズに、アンコールピースとして時々この曲を使っていました。この録音が大阪公演の録音であるように、東京など、日本公演でも演奏しています。インパクトのあるピースですので、覚えている方もいらっしゃると思います。

さて、スルタノフはその後 1998 年のチャイコフスキーコンクールに出るわけですが、その時のバッハの平均律には、この第1巻の1番を選んでいます。(1986年に出た時は第2巻の21番を弾いています。)
その時は、上記のようではなく、バッハの作品として演奏しています。



スルタノフがこのバッハのプレリュードをいかに好んでいたかは、電子ピアノで遊びながら作ったというこの作品にもあらわれています。この曲は、「ライブ・イン・リガ」のCDの最後に収録され、伊賀あゆみ&山口雅敏ピアノデュオによって、スルタノフコンサートでもたびたび編曲されながら演奏されています。



スルタノフのアイディアあふれる演奏と、そこから派生する新しい音楽をお楽しみ下さい!
posted by Murakami at 10:58| Comment(0) | 演奏

2018年10月27日

Sultanov Encoresシリーズ、ラフマニノフV.R.のポルカ

Sultanov Encores シリーズの3つ目は、こちら、ラフマニノフのV.R.のポルカです。



この演奏は、1992年10月24日のワシントンD.C.のケネディセンターでのリサイタルのアンコールになります。
この音源は大変貴重で、これまでレパートリリストには入っていたものの、演奏の記録が全くなかったレパートリです。録音も出回っておらず、スルタノフ夫人がYouTubeにアップしたこの1つのみになります。
このラフマニノフを聴くと、ますます3番の協奏曲が聞きたかったな、と感じるのではないでしょうか。2:44の左手などは、とてもスルタノフらしいなと思います。

それほどアンコールで多用したわけではありませんでしたが、この曲を選んで弾いた理由は、やはり、ホロヴィッツの得意レパートリであった、ということはあるでしょう。
スルタノフの演奏にあわせて、ホロヴィッツの演奏もお楽しみ下さい。
posted by Murakami at 12:35| Comment(0) | 演奏

2018年10月21日

Sultanov Encoresシリーズ、ショパンワルツ第7番(op.64-2)

Sultanov Encores シリーズの2つ目は、こちらのショパンのワルツ第7番です。
スルタノフは、1999年の日本公演で、本プログラムの中に入れると共に、アンコールでもこの曲をよく演奏しました。もちろんレパートリとしては古くからあり、11歳の時に弾いた記録なども残っていますが、デビュー後は主に1999年以降に弾いていました。

日本公演でもかなり積極的に弾いていましたが、NHKでの放映に入らなかったこともあり、YouTube時代が来るまで録音を聞ける機会がなかったかと思います。この録音が最初に出回ったのは、ロシアやポーランドでひっそりと出回っていた「Unpublished Sultanov」というアルバムに収録された演奏です。

このCDに含まれるものもそうですし、以下のYouTubeの演奏でも、1999年のザクレブ(クロアチア)の録音と書いてありますが、私の手元の "Unpublished Sultanov" に含まれている音源と比較すると、似てはいるものの、違う日の演奏にも見えます。
いずれにせよ、貴重なライブ録音になります。是非お楽しみ下さい。

スルタノフらしい軽快な速度で、1拍子で弾いているようにも感じ取れます。バスをオクターブ下げてみたり、内声を作ったり、装飾を入れたり、コントラストを出したりするのも、いかにもスルタノフらしい遊びです。この曲は歴史的にも数多くのピアニストがいろいろ弾いていますので、そうした影響もあるのではないかと思います。実際に11歳の時に弾いたという録音からも、子供の演奏とは思えぬ、大人びた音楽性が見られます。
1999年の来日をご存知の方は、懐かしくも思うでしょうし、是非楽しそうに弾くスルタノフの演奏姿を思い浮かべながらお楽しみ下さい。
posted by Murakami at 00:12| Comment(0) | 演奏