2022年02月15日

1985年英雄ポロネーズの動画が発見されました

またまた、これまで目にすることがなかったスルタノフの新しい動画が発見されました。
今回の動画は、1985年1月10日、モスクワの Ostankino Concert studioで行われたコンサートからです。
この時、モスクワ音楽院中央音楽学校の9年生、ナウモフクラスの生徒として、おそらくこのコンサートのオープニングとして演奏しています。
曲目はショパンの英雄ポロネーズです。


さて、スルタノフはショパンコンクールや、日本公演においてこの曲の録音を残していますが、それらとはまた違う演奏になっています。1985年といえばスルタノフはショパンコンクールのソ連代表の1人として選定されていたものの、年齢制限で出場出来なかったという話もありました。この演奏の数か月後に、そういう話もあったのかと思います。

是非この貴重な演奏をお楽しみ下さい!
posted by Murakami at 22:16| Comment(0) | 演奏

2021年11月14日

スルタノフの新しいインタビュードキュメンタリーが公開されました。

「7歳にしてアリョーシャは天才だった」というタイトルで、スルタノフの新しい動画が公開されました。
これは、インタビューベースのドキュメンタリーとなっています。インタビューアーのElena Pogrebizhskayaさんは、YouTubeで35万人の登録者を持つロシアのジャーナリスト、ディレクター、脚本家で、ロシアTVアカデミーのメンバーでもあります。Elenaさんがスルタノフの弟、Sergei Sultanovさんにインタビューをしています。
全編ロシア語ではありますが、YouTubeの自動翻訳や映像などを見ればロシア語がわからなくても多少理解が出来ますし、未公開映像と思われる貴重なものもあるので、是非ご視聴してみて下さい。



おおまかな内容:
若き天才
- (Sergei氏にとって) Alexeiは天才であったといえるか → 3歳にして天才だったのでは 
- 9歳の頃のインタビュー(ウスペンスキー音楽学校で学びモーツアルトの協奏曲を弾いたなど)
- ポポヴィチ先生の話
- 中央音楽学校へ行き、家族でモスクワに引っ越した話
- 以前のTVでのドキュメンタリーと、ラフマニノフの協奏曲2番

チャイコフスキーコンクールと骨折
- 1986年のチャイコフスキーコンクールの話
- 小指を骨折した話
- 審査員が彼の小指を理由に本選に選ばなかったという話
- 1986年のドキュメンタリーより(レッスンやスケルツォ2番、舞台裏のナウモフ夫妻)
- ショパンのソナタ3番の3章の練習シーン(壁には、Sultanov というコンサートポスター)

喝采
- 過去のインタビュー
- ドイツのコンサート主催者との出会い
- クライバーンコンクールへの参加
- ホロヴィッツのモスクワコンサートでの出来事
- テコンドー、ヘリコプターや船の運転に挑戦した話、バンジージャンプの映像
- 日本のファンの話(何と当ブログや、ホームページが紹介されています)
- 日本人は彼の完璧さと誠実なところが好きなのではないか(Sergei氏の意見)
- 1999年の日本公演時のNHKインタビュー
- 1995年のショパンコンクール時の映像(演奏以外の映像も興味深い)
- スルタノフがショパンの音楽を愛していたということ
- 本選でのコンチェルトの演奏の後、拍手が鳴りやまなくてアナウンスが入ったこと(映像あり)
- 1998年のチャイコフスキーコンクールの話。ドレンスキー教授とマツーエフについて。
- チャイコフスキーコンクールの映像、その時のニュース(ドレンスキーのインタビュー)
- コンサートは多かったが、勤勉で完璧主義で、聴衆のために演奏した。

さらに加速して走る(run even faster)
- 1990年のUS TVに出演した時の動画(ジャズが好き)
- 脳卒中の話
- 日本とポーランドにある、スルタノフファンクラブの話
- タシケントで開催したい、アレクセイ・スルタノフ国際ピアノコンクールの話
- 革命のエチュードを弾く 15-16歳くらいの動画

公開数日後にして既にコメントは1,000件以上もついており、ほぼ全てがロシア語なので読み切れていませんが、中にはスルタノフの親戚の方の書き込みや、スルタノフに関する55ページの本がロシアで書かれたことがある、という内容もあり、今回の動画をきっかけとして、ロシアの中でまた情報が発掘されていくかもしれません。そうなることを期待しましょう!
posted by Murakami at 22:46| Comment(0) | ご家族

2021年09月20日

モスクワで開催されたスルタノフの記念コンサートのご紹介

2021年9月17日(金)に、モスクワの Niko Art Gallery で「"ВОЗВРАЩЕНИЕ"(Return)」というタイトルでスルタノフの記念コンサートが開催されました。
このコンサートは、モスクワのスルタノフチームをリードしているMarina Larichevaさん、ロシア語版スルタノフ本の著者でもあるMikhail Muzalevskyさん、そして、スルタノフの実弟の Sergei Sultanovさんの3人によって企画・運営されたものです。
残念ながら、元々アナウンスされていたAndrei Korobeynikovさんは出演出来ず、プログラムも多少変わってしまいましたが、スルタノフの師匠である、レフ・ナウモフ先生のお孫さんである、ピアニストのAlexey Kudryashovさんがラフマニノフのソナタ2番を弾いて下さいました。
スルタノフのお父様のFaizalさんも来場し、皆さんから愛と感謝の言葉、そして花束が贈られていたようです。セルゲイ氏も挨拶をしたりと大活躍。ビデオなども放映されて、参加された皆さんの心に強く残ったと思います。

当日の写真や動画について、こちらのブログでも共有させて頂きます。

1. 当日のプログラムの写真
スルタノフに捧げるコンサートと書いてあります
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2. プログラムノート
プログラムノートは、曲目と演奏者、そして、全演奏者からスルタノフに対するコメントが載せられています。このような記念コンサートにおいて、主催者だけでなく、演奏者からのコメントが掲載されているのは、「スルタノフに捧げるコンサート」として大変素晴らしいと思います。
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3. 主要人物
左から順に
Marina Larichevaさん
Sergei Sultanovさん
Tatiana Bauderさん
タチアナさんは、スモレンスク在住ですが、この日のためにモスクワにいらしています。主催のマリーナさんと共に、ロシア語圏でスルタノフ・コミュニティを支えている重要人物で、いつか日本のメンバーともコラボしたいです。
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4. 花束を受けるスルタノフパパ
お元気に会場にいらして下さったスルタノフのお父様。皆様から、感謝の言葉をかけられ、花束を頂いていたとのこと。嬉しいですね。
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5. 集合写真
メンバーは、左から順に
Alexey Kudryashovさん:ナウモフ先生の娘(Natalia Kudryashovaさん)のお子さん。
Marina Larichevaさん:主催者の1人
Alexander Klyuchkoさん:出演者の1人(今年のシドニーやルービンシュタインにも出られていたと思います)
Tatiana Bauderさん:熱烈なスルタノフファン
Alexey Bogachevさん:出演者の1人。スルタノフのことは、タラソフが1998年のコンクールの優勝候補と言っていたことから知ったとのこと。
Sergei Sultanovさん:実弟。主催者の1人
Faizal Sultanovさん:実父
(不明)
Mikhail Muzalevskyさん:主催者の1人。スルタノフ本の著者
Yulia Muzalevskayaさん:出演者の1人。

実に素敵な写真です!!
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当日の動画は以下になります。是非その雰囲気をお楽しみ下さい!

posted by Murakami at 18:15| Comment(0) | コンサート

2021年07月25日

モスクワで記念コンサートが開催されます

2021年9月17日(金)に、モスクワの Niko Art Gallery で「"ВОЗВРАЩЕНИЕ"(Return)」というタイトルでスルタノフの記念コンサートが開催されます。

曲目:
クライスラー=ギンズブルグ:プニャーニの様式による前奏曲とアレグロ
ラヴェル:水の戯れ
リスト:マイアベーアの歌劇『悪魔ロベール』の回想
メトネル:忘れられた調べ 第2集 悲劇的ソナタ Op.39-5
リスト:メフィストワルツ第1番、忘れられたワルツ第1番
スクリャービン:ピアノソナタ第2番 Op.19
スクリャービン:ピアノソナタ第5番 Op.53
ラフマニノフ:組曲 第1番 「幻想的絵画」 Op.5

出演者は以下の通りです
Yulia Muzalevskaya
Nadezhda Lukyanchuk
Andrei Bulatov
Vladislav Dryazgov
Alexander Klyuchko
Andrei Korobeynikov
Sergei Sultanov

Yulia Muzalevskayaさんは昨年のモスクワのコンサートでも演奏された方です。
後半にスクリャービンのソナタを2曲演奏するアンドレイ・コロベイニコフさんは国際的に活躍するピアニストで、来日も何度もされていて、日本の皆さんにもなじみがあると思います。
演奏会の最後は、スルタノフの弟で、何度も日本に来日してお馴染みのセルゲイさんと、コロベイニコフさんによる2台ピアノになります。

会場のニコ・ギャラリーは美術館ですがピアノが置いてあり、モスクワのピアニスト達がコンサートで最近よく使っている会場です。ロゴが目立つので、見たことがある方もいらっしゃると思います。(例えば、同じ会場でコンサートを行うホロデンコ氏の動画)

世界的なゲストを迎え、ご家族の住むモスクワでの公演。素晴らしいコンサートになることでしょう。

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posted by Murakami at 11:05| Comment(0) | コンサート

2021年06月20日

スルタノフの生涯を題材にした映画がロシアで製作されました

ロシアで作成された映画 "To Feel (原題:Чувствовать)"が最近ロシア方面で話題になっています。
この映画に「スルタノフ」という名前は出てこないのですが、スルタノフの実話を元にして作られた映画です。スルタノフと奥様との出会いのシーン、1986年と1998年のチャイコフスキーコンクール、モスクワ音楽院の教授たちとの確執、脳出血とその後の生涯についてが含まれます。
内容はスルタノフが2000年のラジオインタビューでLyudmila Osipovaさんと会話したことが中心になっています。
この映画の情報に、ピアニストのベレゾフスキーも「興味深い!」とコメントしており、この関係性も興味深いところではあります。

現在上海国際映画祭に出展されており、その後市場に出てくるようです。(受賞は逃したようにも見えます)

映画祭の紹介を抜粋すると、以下のような内容です。
世界的ピアニストが故郷のソ連に帰ってきて、チャイコフスキーコンクールに参加する。しかし、審査員はファイナリストに選ぶこともしなかった。このイベントは彼にとって運命を決めることになる


映画の予告編はこちらになります。予想が付くシーンが美しく映像化されていますね。


映画は小さな2本立てになっており、その1つがこのピアニストについてになります。
75分の白黒映画です。
監督はVitaly Saltykov
主演はEvgeny Serzin
映画は、タルコフスキー監督の「惑星ソラリス」の影響もあるとのこと。

こちらは2020年に行われた製作発表です。ロシア語はわからなくても、主演俳優の Evgenyさんが「アレクセイ・スルタノフが・・・」言っているのがわかりますね。インタビューの後半では、スルタノフとホロヴィッツについて何か言っているように聞こえます。


ロシアでは、監督と主演によるインタビューが、6/20にラジオで放送されるようで、どのような内容が話されるかも気がかりです。

映画の日本からの入手方法などについては、またわかり次第お伝えするように致します。
posted by Murakami at 18:47| Comment(0) | お知らせ