2019年はスルタノフ(1969-2005)の生誕50周年でした。いつも当ブログを応援して下さっている皆様に感謝申し上げます。
今年の8月7日まで、別名「週刊アリョーシャ」として、このブログを毎週1本投稿することは、ここ数年の目標でした。今後少しペースを落とすものの、スルタノフを愛する日本のファンのために、情報提供を続けていきたいと思います。
今年はメモリアルイヤーであったこともあり、いろいろな活動がありました。
まず3月には、「Tribute to Sultanov Vol.5 〜今泉響平 CD発売記念リサイタル〜」を実施しました(終了報告)。スルタノフファンだけでなく、ホロヴィッツファンの方々にも会場へお越し頂き、音楽を共有出来たことはよかったです。また、このコンサートがきっかけとなり、「ホロヴィッツ 全録音をCDで聴く」の中で、スルタノフに関する内容も言及されたことは喜ばしいことです。
5月にはテキサスでスルタノフのトリビュートコンサートが開催されました。こちらも毎年のことですが、Daceさんが大変精力的に活動されています。フォートワースにスルタノフの噴水を作るというプロジェクトの進行状況も報告されました。なお、Daceさんはこの年末に、テキサスから別の町へ引っ越しされるという話もあります。今後アメリカのサポートコミュニティがどのようになっていくかは、当ブログでも報告していきたいと思います。
同じく 5月には、ピアニストの今泉響平さんが、スルタノフ版の楽曲が含むCDを発売されました。収録された楽曲はこれまで Tribute to Sultanovシリーズでも演奏されてきました。是非ご本人にも聞いて頂きたかった力作です。
6月には、仙台国際音楽コンクールで来日していた、スルタノフファンの、アンドレイ・デニセンコ氏との交流企画を実施しました(終了報告)。大変フレンドリーなデニセンコ氏との交流で、スルタノフというピアニストを通じて、日本とロシアの距離がまた1つ縮まることになりました。
さらに6月には、ピアニストの日高志野さんが、スルタノフの故郷タシケントでコンサートに出演したことをご紹介しました。そして、この演奏会がスルタノフ作によるモーツァルト協奏曲カデンツァの本人以外の初演ということになります。歴史的なイベントでした。日高さんは、ウスペンスキー音楽学校とも交流をしてきて下さり、私たちの理解もますます深まりました。
8月には今年の最重要企画であった、Tribute to Sultanov 特別版を開催し、豪華4組のピアニスト、さらには若い学生たちによるスルタノフイベントを開催することが出来ました(終了報告)。
このコンサートを世界に紹介することをきっかけに、ロシアのスルタノフファンの方々ともコミュニティ同士交流することが可能になりました。
9月にはポーランドのクラクフで、スルタノフの生誕50周年をもお祝いに含む、Sfogato国際音楽祭が開催されました(終了報告)。日本のコミュニティを代表して、ポーランドの代表、および弟のセルゲイ氏と3人で連弾を行いました。
さらに、プライベートな話ではありますが、その後モスクワではスルタノフファミリーと会食をし、交流を深めて参りました。
12月にはロシアのオムスクで、スルタノフの名前を冠にした音楽イベントが開催されました。
今年は各種イベントを企画出来たこともよかったですが、世界中のスルタノフファンと大きく繋がることが出来ました。これは、日本がこれまで実施してきたイベントを世界に紹介出来た、という意味でもあり大変よかったです。
日本はロシアに比べてイベントは開催出来ているものの、ロシアにはスルタノフの音楽を真に愛するファンがまだたくさんいるのだ、ということをよく理解しました。彼らとともに、世界レベルの新しい活動も今後生まれていくと思います。
来年2020年は、スルタノフの没後15周年の記念イヤーでもあります。日本では特にイベントを今のところ企画しておりませんが、世界中でまた何らかイベントが開かれるでしょう。当ブログでは、そこらへんも、またお伝えしていきたいと思います。
本年1年、ブログをお読みいただきどうもありがとうございました。また来年も、どうぞよろしくお願いいたします。
2019年12月31日
2019年、今年1年どうもありがとうございました
posted by Murakami at 16:25| Comment(0)
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2019年11月24日
奏法に関する記事のご紹介
ロシアピアニズムを研究されている丸尾祐嗣さんが、「重力奏法を実現したピアニストたち」というタイトルで記事を書かれていますが、その中にスルタノフの記載もありご紹介したいと思います。
重力奏法を実現したピアニストたち
是非YouTubeで実演を見てみるとよいと記載されていますが、資料がなかったので、撮影角度や技術のバリエーションという点で、当ブログでは例えばこのリストのピアノソナタをご紹介してみたいと思います。
5:44あたりから、フレーズも美しいですが、タッチなど参考になります。
この動画は左手側からアップになるシーンも多く、スルタノフの立体的な音楽を支えているバスの出し方なども参考になります。
上記の記事を参考にしながら動画を視聴すると、より多くを学ぶことが出来ると思います。
スルタノフと同門のレフ・ナウモフ門下からは、アレクサンダー・コブリンとイリヤ・イーティンが紹介されています。
ナウモフ門下には、ガブリーロフやババヤン、ウラシンなど、有名ピアニストが並んでおり、研究はつきないことかと思います。
重力奏法を実現したピアニストたち
是非YouTubeで実演を見てみるとよいと記載されていますが、資料がなかったので、撮影角度や技術のバリエーションという点で、当ブログでは例えばこのリストのピアノソナタをご紹介してみたいと思います。
5:44あたりから、フレーズも美しいですが、タッチなど参考になります。
この動画は左手側からアップになるシーンも多く、スルタノフの立体的な音楽を支えているバスの出し方なども参考になります。
上記の記事を参考にしながら動画を視聴すると、より多くを学ぶことが出来ると思います。
スルタノフと同門のレフ・ナウモフ門下からは、アレクサンダー・コブリンとイリヤ・イーティンが紹介されています。
ナウモフ門下には、ガブリーロフやババヤン、ウラシンなど、有名ピアニストが並んでおり、研究はつきないことかと思います。
posted by Murakami at 10:52| Comment(0)
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2019年07月20日
Kindle版:アレクセイ・スルタノフ: 伝説の若き天才ピアニストが発売されています
既に発売から1カ月たっておりますが、販売中のスルタノフに関する書籍「アレクセイ・スルタノフ: 伝説の若き天才ピアニスト」のKindle版が購入出来るようになりました。こちらのブロウでも、皆さまにご紹介したいと思います。


この書籍はもともと2017年12月に発売されたものですが、当初より電子書籍で出版されるという計画がありました。
本の製作や執筆に関しては、当支援会は一切関与しておりませんが、出版された本の中には気になる表現や誤植などがあったため、修正リストを出版社および著者に提出しておりました。これに対して、電子書籍版の時に見直して下さるとお返事を頂いていたところです。
今回の Kindle 版を見てみますと、確かに書籍版に比べて修正されているところもあります。しかし、もう少し何とかならなかったのかな、という修正は多かったのは残念でした。
例えば、オリジナルでは、スルタノフがリーズ国際コンクールを受けたという記載になっていたため、一言訂正を入れたのですが、その結果このようなかんじになってしまいました・・・。

とはいえ、スルタノフの歴史についてまとめられており、また、通常スルタノフファンがあまりみない視点での考察が見られていたり、ユニークな価値があるものもあると思います。先日来日した、アンドレイ・デニセンコも、日本語が読めないにもかかわらず、喜んで持ち帰っておりましたし、そういう価値もあると思います。
これまで、電子書籍版を待っていた方もいると思いますが、20%お安く買えますし(中古品はもうさらにもう少しお安いようですが)、ご興味がある方は手に取ってみて下さい。
この書籍はもともと2017年12月に発売されたものですが、当初より電子書籍で出版されるという計画がありました。
本の製作や執筆に関しては、当支援会は一切関与しておりませんが、出版された本の中には気になる表現や誤植などがあったため、修正リストを出版社および著者に提出しておりました。これに対して、電子書籍版の時に見直して下さるとお返事を頂いていたところです。
今回の Kindle 版を見てみますと、確かに書籍版に比べて修正されているところもあります。しかし、もう少し何とかならなかったのかな、という修正は多かったのは残念でした。
例えば、オリジナルでは、スルタノフがリーズ国際コンクールを受けたという記載になっていたため、一言訂正を入れたのですが、その結果このようなかんじになってしまいました・・・。
とはいえ、スルタノフの歴史についてまとめられており、また、通常スルタノフファンがあまりみない視点での考察が見られていたり、ユニークな価値があるものもあると思います。先日来日した、アンドレイ・デニセンコも、日本語が読めないにもかかわらず、喜んで持ち帰っておりましたし、そういう価値もあると思います。
これまで、電子書籍版を待っていた方もいると思いますが、20%お安く買えますし(中古品はもうさらにもう少しお安いようですが)、ご興味がある方は手に取ってみて下さい。
posted by Murakami at 23:07| Comment(0)
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2019年07月07日
ウスペンスキー音楽学校におけるスルタノフ
こちらのブログで何回かご紹介した通り、6月には日高志野さんがスルタノフの故郷タシケントで演奏会を致しました。前回のブログにも書きましたが、演奏の動画もあるので是非ご覧ください。
日高志野さんのタシケント公演のご紹介: アレクセイ・スルタノフ情報
さて、日高さんは演奏会ご成功の後、スルタノフの幼少期の同級生などと会話をされたり、またウスペンスキー音楽学校を訪れて、学校の理事長と会話をしたり、ポポヴィチ先生の情報についてをいろいろとお話してきたようです。
モスクワあたりの情報は日本にも届くようになってきましたが、タシケントの情報はまだまだ遠かったな、という印象を覚えるくらい、タシケントでもスルタノフは敬愛されているようです。
その中で、2010年に設立70周年を記念して作られた冊子があり、この学校で勉強した優秀な学生たちが紹介されています。もちろん、スルタノフも紹介されています。ロシア語ではありますがご紹介したいと思います。

基本は年齢順に並んでいますが、スルタノフだけが特別扱いで、一番最初のページにいます。

ロシア語が読めなくても、1982年と1984年に何かがあったことや、第8回のチャイコフスキーコンクールの年号が間違っている(1996とあるが1986)ことはわかりますね!
当然ながら、アンナ・マリコヴァや、今大人気のローラ・アスタノヴァもいます。ベフゾド・アブドゥライモフもスタニスラフ・ユデニッチもいます。
当支援会とも良好な関係でいる、タミーラ・サリムジャーノヴァもいました。

ウスペンスキー音楽学校では、スルタノフに関係するイベントの情報などを集めている、という話もあり、今後日本と良好な関係を結べればよいなと思っています。また今後の展開などがあれば、こちらのブログでもご紹介したいと思います。
日高志野さんのタシケント公演のご紹介: アレクセイ・スルタノフ情報
さて、日高さんは演奏会ご成功の後、スルタノフの幼少期の同級生などと会話をされたり、またウスペンスキー音楽学校を訪れて、学校の理事長と会話をしたり、ポポヴィチ先生の情報についてをいろいろとお話してきたようです。
モスクワあたりの情報は日本にも届くようになってきましたが、タシケントの情報はまだまだ遠かったな、という印象を覚えるくらい、タシケントでもスルタノフは敬愛されているようです。
その中で、2010年に設立70周年を記念して作られた冊子があり、この学校で勉強した優秀な学生たちが紹介されています。もちろん、スルタノフも紹介されています。ロシア語ではありますがご紹介したいと思います。
基本は年齢順に並んでいますが、スルタノフだけが特別扱いで、一番最初のページにいます。
ロシア語が読めなくても、1982年と1984年に何かがあったことや、第8回のチャイコフスキーコンクールの年号が間違っている(1996とあるが1986)ことはわかりますね!
当然ながら、アンナ・マリコヴァや、今大人気のローラ・アスタノヴァもいます。ベフゾド・アブドゥライモフもスタニスラフ・ユデニッチもいます。
当支援会とも良好な関係でいる、タミーラ・サリムジャーノヴァもいました。
ウスペンスキー音楽学校では、スルタノフに関係するイベントの情報などを集めている、という話もあり、今後日本と良好な関係を結べればよいなと思っています。また今後の展開などがあれば、こちらのブログでもご紹介したいと思います。
posted by Murakami at 21:59| Comment(2)
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2019年06月01日
アンドレイ・デニセンコ氏との会話
前回のブログエントリで、仙台国際音楽コンクール出場のアンドレイ・デニセンコ氏をご紹介しました。
そこで、少しデニセンコ氏と会話が出来たので、その内容をご紹介していきたいと思います。
実は本人と会話をするまで、デニセンコ氏がスルタノフファンであるか、確信がありませんでした。その理由は、彼の選曲などにあまりスルタノフの影響を感じなかったためです。一方で、AndreyDenisenkoという名前のYouTubeアカウントでは、スルタノフの動画がたくさん投稿されています。
これについて本人に会話してみたところ、彼自身スルタノフファンであると断言しており、実際レパートリの話をしても、実に詳しくいろいろな知識を持っています。スルタノフの音源について、ラフマニノフの3番の録音はあるのか、とか、ショスタコーヴィチの録音はあるのか、など、鋭い質問をを受けました。
まず、なぜ YouTube のサイトに大量の動画を投稿したのかどうか、というのを確認してみました。
彼はロシアの南の町、ロストフ・ナ・ドヌの出身です。日本ではあまり名前が知られた町ではありませんが、ラフマニノフ記念国立ロストフ音楽院が存在しており、モスクワほどの知名度はないものの、確かな音楽教育がされているまちです。彼の師匠である、Sergei Osipenko氏は Lev Oborin 門下の名教師で、代表的に教え子にはエリザベート王妃国際音楽コンクールを優勝したアンナ・ヴィニツカヤや、高松国際ピアノコンクールを優勝したアレクサンドル・ヤコブレフ、さらにはデニセンコ氏と同じく仙台国際音楽コンクール出場のダリア・パルホーメンコなどがいます。門下生によるコンサートも行われており、弟子からも大変尊敬され、愛されている教授です。
それほど音楽が盛んであるロストフ・ナ・ドヌでありながら、デニセンコ氏は、スルタノフの名前が全然知られていなことにショックを受け、そういう状況を正すために YouTube への動画を投稿しはじめたとのことです。元となった音源などは、モスクワに行った時にスルタノフ弟のセルゲイ氏に会ってもらったそうです。
なお彼は本来 Wolfgang527 という名前を使っていましたが、現在ハンブルグ音楽院で勉強する中、wolfgang という名前が紛らわしいという理由で、最近 AndreyDenisenko に変更したそうです。
彼自身は、スルタノフのレパートリは意図的に敬遠しているようです。サイトにあがっている彼の録音や、浜松や仙台での演奏曲は、明らかにスルタノフのレパートリとは重なっていません。本人に話してみたところ、「スルタノフがあまりに完璧に弾いているので、意図的に弾いていないんだよ。例外といえば、今回本選で弾く予定だったラフマニノフの2番の協奏曲と、リストのソナタくらいかな」と言っていました。そういえば、スルタノフの弟のセルゲイ氏も、敢えて兄のレパートリは弾かない方針のようですから、一言にスルタノフファンといっても、スルタノフのレパートリを弾く人から意図的に外す人まで、いろいろな付き合い方があるようです。
日本でスルタノフのトリビュート・コンサートをしているという話をしたところ、それにも興味があるようですし、モスクワやクラクフでも、可能なら参加してみたいという思いもあるようです。
デニセンコ氏は、スルタノフの1998年のチャイコフスキーコンクールの審査結果についても、同じロシア人として、言いたいことがあるようでした。
デニセンコ氏は、音楽一家に生まれており、父親は演奏家としてだいぶ前に来日したことがあり、その話を聞いて日本に長らく憧れていた、とのこと。また、母親は家で子供の生徒にピアノを教えていて、3歳年上のお姉さんはもともとピアニストだったものの、今はモスクワで写真家をしているようです。
さて、ここで1つ大変興味深い話を聞きました。
YouTubeにおけるスルタノフ貢献では、重要なアカウントが3つある、という話をこのブログでも過去にしました。1つは、スルタノフ夫人であり、もう1つはデニセンコ氏。そして、もう1つは、Lena もしくは Elena と呼ばれる人で、harmony14447 というアカウントです。きっとスルタノフファンの皆様も、1度はお世話になったことがあるでしょう。
この、harmony14447 さんの正体について、デニセンコ氏が教えてくれました。
セルゲイ氏も知らないといっていた、この Elena さんの正体ですが、なんと、デニセンコ氏のお母さまである、ということがわかりました。
親子そろって、熱烈なスルタノフへの応援をありがとうございます!
デニセンコ氏は残念ながら今回のコンクールは敗退となってしまいましたが、彼の今後の活躍を皆さん応援しましょう!
そこで、少しデニセンコ氏と会話が出来たので、その内容をご紹介していきたいと思います。
実は本人と会話をするまで、デニセンコ氏がスルタノフファンであるか、確信がありませんでした。その理由は、彼の選曲などにあまりスルタノフの影響を感じなかったためです。一方で、AndreyDenisenkoという名前のYouTubeアカウントでは、スルタノフの動画がたくさん投稿されています。
これについて本人に会話してみたところ、彼自身スルタノフファンであると断言しており、実際レパートリの話をしても、実に詳しくいろいろな知識を持っています。スルタノフの音源について、ラフマニノフの3番の録音はあるのか、とか、ショスタコーヴィチの録音はあるのか、など、鋭い質問をを受けました。
まず、なぜ YouTube のサイトに大量の動画を投稿したのかどうか、というのを確認してみました。
彼はロシアの南の町、ロストフ・ナ・ドヌの出身です。日本ではあまり名前が知られた町ではありませんが、ラフマニノフ記念国立ロストフ音楽院が存在しており、モスクワほどの知名度はないものの、確かな音楽教育がされているまちです。彼の師匠である、Sergei Osipenko氏は Lev Oborin 門下の名教師で、代表的に教え子にはエリザベート王妃国際音楽コンクールを優勝したアンナ・ヴィニツカヤや、高松国際ピアノコンクールを優勝したアレクサンドル・ヤコブレフ、さらにはデニセンコ氏と同じく仙台国際音楽コンクール出場のダリア・パルホーメンコなどがいます。門下生によるコンサートも行われており、弟子からも大変尊敬され、愛されている教授です。
それほど音楽が盛んであるロストフ・ナ・ドヌでありながら、デニセンコ氏は、スルタノフの名前が全然知られていなことにショックを受け、そういう状況を正すために YouTube への動画を投稿しはじめたとのことです。元となった音源などは、モスクワに行った時にスルタノフ弟のセルゲイ氏に会ってもらったそうです。
なお彼は本来 Wolfgang527 という名前を使っていましたが、現在ハンブルグ音楽院で勉強する中、wolfgang という名前が紛らわしいという理由で、最近 AndreyDenisenko に変更したそうです。
彼自身は、スルタノフのレパートリは意図的に敬遠しているようです。サイトにあがっている彼の録音や、浜松や仙台での演奏曲は、明らかにスルタノフのレパートリとは重なっていません。本人に話してみたところ、「スルタノフがあまりに完璧に弾いているので、意図的に弾いていないんだよ。例外といえば、今回本選で弾く予定だったラフマニノフの2番の協奏曲と、リストのソナタくらいかな」と言っていました。そういえば、スルタノフの弟のセルゲイ氏も、敢えて兄のレパートリは弾かない方針のようですから、一言にスルタノフファンといっても、スルタノフのレパートリを弾く人から意図的に外す人まで、いろいろな付き合い方があるようです。
日本でスルタノフのトリビュート・コンサートをしているという話をしたところ、それにも興味があるようですし、モスクワやクラクフでも、可能なら参加してみたいという思いもあるようです。
デニセンコ氏は、スルタノフの1998年のチャイコフスキーコンクールの審査結果についても、同じロシア人として、言いたいことがあるようでした。
デニセンコ氏は、音楽一家に生まれており、父親は演奏家としてだいぶ前に来日したことがあり、その話を聞いて日本に長らく憧れていた、とのこと。また、母親は家で子供の生徒にピアノを教えていて、3歳年上のお姉さんはもともとピアニストだったものの、今はモスクワで写真家をしているようです。
さて、ここで1つ大変興味深い話を聞きました。
YouTubeにおけるスルタノフ貢献では、重要なアカウントが3つある、という話をこのブログでも過去にしました。1つは、スルタノフ夫人であり、もう1つはデニセンコ氏。そして、もう1つは、Lena もしくは Elena と呼ばれる人で、harmony14447 というアカウントです。きっとスルタノフファンの皆様も、1度はお世話になったことがあるでしょう。
この、harmony14447 さんの正体について、デニセンコ氏が教えてくれました。
セルゲイ氏も知らないといっていた、この Elena さんの正体ですが、なんと、デニセンコ氏のお母さまである、ということがわかりました。
親子そろって、熱烈なスルタノフへの応援をありがとうございます!
デニセンコ氏は残念ながら今回のコンクールは敗退となってしまいましたが、彼の今後の活躍を皆さん応援しましょう!
posted by Murakami at 15:37| Comment(2)
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