これまで2回ほど、ポポヴィチ先生流の早いパッセージの練習方法についてを書いてきました。
1. ポポヴィチ先生の練習方法
2. ポポヴィチ先生の練習方法その2
今日もタミーラ・サリムジャーノワ先生と、ショパンのバラード1番を教えて頂いていたのですが、バラード後半の難所で上記の練習方法をどう活用するかを教えて頂きました。
1つ目の停止しながら弾く練習については、シューベルトで習った時は3/4拍子の中での3連符の弾き方でした。前回はバラード1番の中の以下の音型の中で習いました。6/4拍子の中での八分音符は、6つずつでカウントします。
バラード1番の難所のコーダは2/2で、かなりカウントもしずらいので、どのように練習するのかなと思いましたが、普通にまずは1拍目(赤)、次は2拍目(青)という具合に練習していけばよいようです。
拍で止まる練習は、いきなり言われてもすぐには出来ないのですが、タミーラ先生がその場でお手本を見せて下さるので、言い訳は出来ません。ポポヴィチ一門として練習します。
さて、重音も多いバラード1番、前回は重音の弾き方を習いましたが、あちこちでその手法が使えると習いました。例えばこんな場所もです。最初は上の音(赤)、次に練習する時は下の音(青)という風に出来ます(この楽譜で言えば、重音の全てで実施)。この時に弾く、赤や青の音は、極力強い音で練習するのがコツなのだそうです。
さらに言えば、この左手のパッセージもそうだし、バラードの中でたびたび出てくるこういった左手の音型でも練習可能と教えて頂きました。ポポヴィチ門下生の強靭なテクニックはこういう地味な練習から生まれたんですね。
2024年06月20日
ポポヴィチ先生流に練習するバラード1番
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2024年05月01日
スルタノフを語る!〜対談動画のご紹介
今日は最近のYouTubeに投稿された動画の紹介です。
先日は、「スルタノフの凄さとは」というアーニャちゃんねるの動画を紹介しましたが、今回はそれに類似したコラボ企画のような動画です。
ピアニストの丸尾祐嗣さんが、ご自身のYouTubeチャンネルで、山口紺碧さんと、スルタノフについて語っています。お二人は、よくYouTubeで仲良くコラボされているだけあって、楽しい脱線などもありつつも、テンポよく会話が進んでいて、見ていて楽しい動画になっていますね。
動画の中でも触れられていますが、やはりショパンコンクールファイナルでの、コンチェルトの2番は名演です。
その他、ピアノを弾く方にとって、興味深い内容がたくさん含まれており、ロシアピアニズムを研究されている丸尾さんの口から、どのようなことが語られるか、是非1度ご覧ください。
あわせて、こちらの Instagram もよろしくお願いします。
https://www.instagram.com/sultanovjp/
先日は、「スルタノフの凄さとは」というアーニャちゃんねるの動画を紹介しましたが、今回はそれに類似したコラボ企画のような動画です。
ピアニストの丸尾祐嗣さんが、ご自身のYouTubeチャンネルで、山口紺碧さんと、スルタノフについて語っています。お二人は、よくYouTubeで仲良くコラボされているだけあって、楽しい脱線などもありつつも、テンポよく会話が進んでいて、見ていて楽しい動画になっていますね。
動画の中でも触れられていますが、やはりショパンコンクールファイナルでの、コンチェルトの2番は名演です。
その他、ピアノを弾く方にとって、興味深い内容がたくさん含まれており、ロシアピアニズムを研究されている丸尾さんの口から、どのようなことが語られるか、是非1度ご覧ください。
あわせて、こちらの Instagram もよろしくお願いします。
https://www.instagram.com/sultanovjp/
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2024年04月16日
ポポヴィチ先生の練習方法その2
もう4年前ですが、シューベルトの即興曲を題材に、ポポヴィチ先生のテクニック練習法の記事を書きました。
今日も、タミーラ・サリムジャーノワ先生と、ショパンのバラード1番を勉強していたのですが、その中で速いパッセージをどう練習するかについての話が出てきて、まずは前回書いた「途中停止法」で練習するといいわよ、という話が出てきました。八分音符6つをひと固まりで、1つめの音から、6つめの音まで6通りの練習方法があります。前回書いたブログ記事を思い出しました。
さらに、今日教えて頂いた新技は、重音を2回弾くという方法です。
例えば以下の楽譜の赤く囲った部分は重音ですが、重音を弾いた直後にCの音をもう一回弾きます。
(CG)-C-B♭-D (B♭F#)-B♭-A-D という風に弾きます。
次のフェーズでは、重音の下を2回弾きます。つまり(CG)-G-B♭-D (B♭F#)-F#-A-D という風に弾きます。
この方法も、ポポヴィチ先生直伝だそうで、退屈だけど効果があるわよ、と教えて頂きました。明日から私もやってみたいと思います。
スルタノフも幼少期にこのような練習をしたのか気になりますね。
タミーラ先生の素敵なショパンバラード1番の演奏はこちらです。
今日も、タミーラ・サリムジャーノワ先生と、ショパンのバラード1番を勉強していたのですが、その中で速いパッセージをどう練習するかについての話が出てきて、まずは前回書いた「途中停止法」で練習するといいわよ、という話が出てきました。八分音符6つをひと固まりで、1つめの音から、6つめの音まで6通りの練習方法があります。前回書いたブログ記事を思い出しました。
さらに、今日教えて頂いた新技は、重音を2回弾くという方法です。
例えば以下の楽譜の赤く囲った部分は重音ですが、重音を弾いた直後にCの音をもう一回弾きます。
(CG)-C-B♭-D (B♭F#)-B♭-A-D という風に弾きます。
次のフェーズでは、重音の下を2回弾きます。つまり(CG)-G-B♭-D (B♭F#)-F#-A-D という風に弾きます。
この方法も、ポポヴィチ先生直伝だそうで、退屈だけど効果があるわよ、と教えて頂きました。明日から私もやってみたいと思います。
スルタノフも幼少期にこのような練習をしたのか気になりますね。
タミーラ先生の素敵なショパンバラード1番の演奏はこちらです。
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2024年04月11日
スルタノフの凄さとは
今度7/28のスルタノフ記念コンサートでも演奏する予定であるピアニストの山口紺碧さんが、ご自身のYouTubeチャンネル「アーニャちゃんねる」で、スルタノフの凄さについて語ってくれています。
スルタノフの凄さは、わかりやすいところで、速度や重音、オクターブなどの技術や、ダイナミックレンジ、美音、爆音、そして表現力など、人によって言うところが違うでしょうね。
是非、山口さんの視点をお楽しみ下さい。
山口さんは、今度スルタノフの記念コンサートでも演奏者として出演されるわけですが、このように演奏者自らが語ってくれるのは嬉しいですね。モスクワのコンサートでもそうでしたが、出演者からのリスペクトが感じられるコンサートであることを嬉しく思います。
そういえば以前ポポヴィチ先生も仰っていましたが、「恐れを知らない」というところも、スルタノフの凄さの1つですね。皆さんはいかがでしょうか!?
スルタノフの凄さは、わかりやすいところで、速度や重音、オクターブなどの技術や、ダイナミックレンジ、美音、爆音、そして表現力など、人によって言うところが違うでしょうね。
是非、山口さんの視点をお楽しみ下さい。
山口さんは、今度スルタノフの記念コンサートでも演奏者として出演されるわけですが、このように演奏者自らが語ってくれるのは嬉しいですね。モスクワのコンサートでもそうでしたが、出演者からのリスペクトが感じられるコンサートであることを嬉しく思います。
そういえば以前ポポヴィチ先生も仰っていましたが、「恐れを知らない」というところも、スルタノフの凄さの1つですね。皆さんはいかがでしょうか!?
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2024年01月20日
パーヴェル・ネルセシアン先生のコメント
以前もこのブログで、ナッシュビルショパン国際ピアノコンクールについて紹介したことがありました。
この公式ホームページを見てみると、2023年のコンクールにおける情報が置いてありますが、その中で "Booklet" というコーナーがあり、PDFとなった公式ブックレットがページに埋め込まれています。
この中ではコンクールに関する各種情報が入っているのですが、P10 に「ALEXEI SULTANOV AND THE DISCOVERY PRIZE」の記載があり、以下のメンバーからスルタノフに対するコメントが入っています。
- Richard Rodzinski (クライバーン財団代表)
- Pavel Nersessian (ピアニスト)
- Dace Sultanov (チェリスト、スルタノフ妻)
- Brett Manning (ヴォーカルコーチ)
- Zbigniew Raubo (ピアニスト、当コンクール審査員)
中でも注目すべきは、同じモスクワ音楽院卒であるネルセシアン先生のコメントです。ネルセシアン先生は1964年生まれなので、スルタノフとは5歳差ですね。
コメントを引用します。
簡単に訳すと「スルタノフはロマンティックな英雄で、ステージでは予測不可能であり、とてもエネルギッシュでした。私は昔は彼の魅了するエネルギーに強い感銘を受けていたのですが、今録音を聞いてみると、いかに音楽の組み立て方が賢く、そして対話的であるかということに気が付かされます。私たちは本当に惜しい才能を失いました。」というかんじでしょうか。
ネルセシアンはドレンスキー門下ですので、マツーエフと同じになります。。
これまで、ドレンスキーやマツーエフがスルタノフについてコメントを残していることがありましたが、こうして同じ時代を過ごしたロシアのピアニストたちのコメントが聞けるのは貴重ですね。
ドレンスキーのコメントを紹介したブログはこちら。
マツーエフのコメントを紹介したブログはこちら。
ネルセシアン先生の、コンクール審査員としてのインタビュービデオはこちら。(スルタノフについてのコメントは特にないですが、ショパンの演奏についてアドバイスを語っています。)
コンクールの案内動画。スルタノフ賞についても語られています。
授賞式の最後で流れる、ショパンコンクールでのワルツ1番。そして、それを真剣に見て拍手するネルセシアンを確認出来ます。授賞式でのアナウンスの1つ1つが、とても敬意に満ちていて感動的です。
この公式ホームページを見てみると、2023年のコンクールにおける情報が置いてありますが、その中で "Booklet" というコーナーがあり、PDFとなった公式ブックレットがページに埋め込まれています。
この中ではコンクールに関する各種情報が入っているのですが、P10 に「ALEXEI SULTANOV AND THE DISCOVERY PRIZE」の記載があり、以下のメンバーからスルタノフに対するコメントが入っています。
- Richard Rodzinski (クライバーン財団代表)
- Pavel Nersessian (ピアニスト)
- Dace Sultanov (チェリスト、スルタノフ妻)
- Brett Manning (ヴォーカルコーチ)
- Zbigniew Raubo (ピアニスト、当コンクール審査員)
中でも注目すべきは、同じモスクワ音楽院卒であるネルセシアン先生のコメントです。ネルセシアン先生は1964年生まれなので、スルタノフとは5歳差ですね。
コメントを引用します。
Sultanov was a romantic hero, unpredictable on stage, courageous, highly energetic. I remember my huge impression about his mesmerizing energy years ago, but when I listen to his recordings now I notice how clever he is in music construction and how communicative he is. We miss it and miss him.”
簡単に訳すと「スルタノフはロマンティックな英雄で、ステージでは予測不可能であり、とてもエネルギッシュでした。私は昔は彼の魅了するエネルギーに強い感銘を受けていたのですが、今録音を聞いてみると、いかに音楽の組み立て方が賢く、そして対話的であるかということに気が付かされます。私たちは本当に惜しい才能を失いました。」というかんじでしょうか。
ネルセシアンはドレンスキー門下ですので、マツーエフと同じになります。。
これまで、ドレンスキーやマツーエフがスルタノフについてコメントを残していることがありましたが、こうして同じ時代を過ごしたロシアのピアニストたちのコメントが聞けるのは貴重ですね。
ドレンスキーのコメントを紹介したブログはこちら。
マツーエフのコメントを紹介したブログはこちら。
ネルセシアン先生の、コンクール審査員としてのインタビュービデオはこちら。(スルタノフについてのコメントは特にないですが、ショパンの演奏についてアドバイスを語っています。)
コンクールの案内動画。スルタノフ賞についても語られています。
授賞式の最後で流れる、ショパンコンクールでのワルツ1番。そして、それを真剣に見て拍手するネルセシアンを確認出来ます。授賞式でのアナウンスの1つ1つが、とても敬意に満ちていて感動的です。
posted by Murakami at 23:05| Comment(0)
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