スルタノフほどの有名ピアニストとなると、もちろん Wikipedia にエントリーを持っています。
Wikipediaのエントリーは、様々な言語で書かれており、執筆時点で規模の大小を問わなければ 299言語のエントリーがあると言われています。これらは、例え同じ内容について記されていたとしても、各言語のボランティアが自由に執筆しているため、必ずしも翻訳ではなく、そういう意味では内容が重複しないこともよくあります。
そこで、スルタノフの Wikipedia エントリがどういう状況かについて、調査してみました。
今のところ、日本語、英語、ロシア語、ポーランド語、ドイツ語、スペイン語、フランス語、イタリア語、アゼルバイジャン語、ウクライナ語、フィンランド語の11ヶ国語でエントリがあるようです。全体的にざっと眺めると、日本語、ポーランド語、ロシア語、英語のエントリはファンとして目を通しておいてよいかなと思いました。
全ての言語は Google翻訳に対応しているため、一応日本語で読むことが出来ます。以下にリンクを貼りますが、英語でも大丈夫な方は、翻訳の品質上英語で読むことをお勧めします。
Wikipedia日本語版
Wikipedia英語版
Wikipediaロシア語版
Wikipediaポーランド語版
Wikipediaドイツ語版
Wikipediaスペイン語版
Wikipediaフランス語版
Wikipediaイタリア語版
Wikipediaアジェルバイジャン語版
Wikipediaウクライナ語版
Wikipediaフィンランド語版
例えば、ピアノを始めた時期なども、各国語版によって微妙に異なります。これは触り始めた時期や、レッスン開始時期などに書き方の違いもあるでしょう。また、日本語版では「中央アジアの有力なムスリム首長の家系に生まれる」と、一体誰がどう調べて書いたのか不思議な記述まであります。
多くの言語は英語版をベースにしていますが、アメリカでのテレビ出演が多くの言語で記載されているのを見ると、この件については日本でも広く知られてもよいかもしれません。
ロシア語版では、「有名なウズベク女優 Zamira Khidoyatova の孫」という記載もあり、これまた興味深いですし、ウズベキスタンの Komsomol 賞を受賞している、というのも興味深いです。
ポーランドでは、スルタノフのキャリアについて 1982年に行われた the International Radio Competition "Concertino Praha" に参加した、と記載されることは Wikipedia に問わずこれまでもあり、この手の記述はポーランドメディアだけで行われた印象がありましたが、やはり Wikipedia にも記載があります。
その他のポーランドメディアの例としては、以下を参考にあげておきます。
Alexei Sultanov (1969 - 2005)
スルタノフ研究については、先日書籍も出たばかりですが、今後も音大生の卒業論文を含め、いろいろな形で行われると思いますが、各国での報道のされ方なども興味深いですし、Wikipedia ではそれを並列に眺めることが出来ます。
2018年02月18日
Wikipediaのエントリーを読む
posted by Murakami at 20:08| Comment(0)
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2018年01月28日
MOOK本ピアニストシリーズ
先日、最新版の「ピアノ&ピアニスト」MOOKにて、スルタノフが掲載されたお話についてを当ブログに書きました。
最新ピアノ&ピアニストにて紹介されています: アレクセイ・スルタノフ情報
この本は5年に1度くらいの間隔で出版されるのですが、ありがたいことにスルタノフも毎回小さいながらも掲載されています。そこで、過去にどういう著者がどういう取り上げ方をしてきたのかを、確認してみたいと思いました。
手元にある最も古いものが1998年出版の「オントモ・ムック/ピアニスト名盤500」です。
執筆:原 明美さん
紹介CD:TELDECのロシアピアノソナタ集
内容:まだピアニスト現役時代の紹介文。ショパンコンクールまでの略歴とショパンコンクールでの内容。ロシアものへの推薦など。
次に2003年出版の「ピアノとピアニスト2003」です
執筆:原 明美さん
内容:2003年ですから既に闘病中のはずですが、特にそのことについての言及はありません。文字数制限もあり、同じ著者なので、前回書いた内容をサマリーしたものになっています。
続いて2007年(2008)に発売された「Piano&Pianist 2008」
執筆:結城亨さん
内容:スルタノフが亡くなった後、2007年の内容で、それについての記載もあります。文字数少ない中で、ショパンコンクールのことや、演奏に関する特徴がポジティブに記載されています。なお、初来日はショパンコンクール直後と記載されていますが、91年にも来日しています。
最後に、前回の版である「新編 ピアノ&ピアニスト」。2012年末に出版されています。
執筆:真嶋雄大さん
内容:簡単なキャリアの紹介だけで、ピアニストとしての特徴などには触れず。つまり、これを読んで、知らない人が「聴いてみたいな」と思うことはありません。
最新出版のあわせて、手持ちには5冊ありますが、また2022年の末あたりには新しい本が出版されるのではないかと思います。そこにも、スルタノフが掲載されれば、それは大変嬉しいことですし、文字制限がある中であっても、スルタノフを知らない読者が一読して「聴いてみたいな」と思う形で紹介されればいいなと思います。
最新ピアノ&ピアニストにて紹介されています: アレクセイ・スルタノフ情報
この本は5年に1度くらいの間隔で出版されるのですが、ありがたいことにスルタノフも毎回小さいながらも掲載されています。そこで、過去にどういう著者がどういう取り上げ方をしてきたのかを、確認してみたいと思いました。
手元にある最も古いものが1998年出版の「オントモ・ムック/ピアニスト名盤500」です。
執筆:原 明美さん
紹介CD:TELDECのロシアピアノソナタ集
内容:まだピアニスト現役時代の紹介文。ショパンコンクールまでの略歴とショパンコンクールでの内容。ロシアものへの推薦など。
次に2003年出版の「ピアノとピアニスト2003」です
執筆:原 明美さん
内容:2003年ですから既に闘病中のはずですが、特にそのことについての言及はありません。文字数制限もあり、同じ著者なので、前回書いた内容をサマリーしたものになっています。
続いて2007年(2008)に発売された「Piano&Pianist 2008」
執筆:結城亨さん
内容:スルタノフが亡くなった後、2007年の内容で、それについての記載もあります。文字数少ない中で、ショパンコンクールのことや、演奏に関する特徴がポジティブに記載されています。なお、初来日はショパンコンクール直後と記載されていますが、91年にも来日しています。
最後に、前回の版である「新編 ピアノ&ピアニスト」。2012年末に出版されています。
執筆:真嶋雄大さん
内容:簡単なキャリアの紹介だけで、ピアニストとしての特徴などには触れず。つまり、これを読んで、知らない人が「聴いてみたいな」と思うことはありません。
最新出版のあわせて、手持ちには5冊ありますが、また2022年の末あたりには新しい本が出版されるのではないかと思います。そこにも、スルタノフが掲載されれば、それは大変嬉しいことですし、文字制限がある中であっても、スルタノフを知らない読者が一読して「聴いてみたいな」と思う形で紹介されればいいなと思います。
posted by Murakami at 17:32| Comment(0)
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2018年01月08日
最新ピアノ&ピアニストにて紹介されています
昨年末に発売されたムック本「最新ピアノ&ピアニスト」に、スルタノフは今回も掲載されています。
5年に一度くらい出版されるこの本ですが、今回は、ナウモフクラスを長年研究されている上田弘子先生がスルタノフの項目を執筆して下さいました。演奏家としての話だけでなく、そのレッスンにも触れて下さっています。
スルタノフはもちろん演奏家として活動していたわけで、どこかの音楽院で指導をしていたわけではないですが、マスタークラスは行っていたようです。そのことについてわかるのが、やはり上田弘子先生が執筆された、こちらの本です。
残念ながら、スルタノフが行ったマスタークラスの内容に関する記録というのは、少なくともインターネット上にはほぼ存在せず、私も「そういう瞬間があった」という数秒程度の動画断片を見たことがあるくらいです。かつて、スルタノフの弟のセルゲイ氏にこのことについて問い合わせてみたことはあったのですが、「実家のどこかに、ひょっとしたらビデオが残っているかもしれないけれども・・・・」という答えでした。残っていて、無事に発掘されることを祈りましょう!
レッスンも、録音・録画をしておかなければ、なかなか断片的なことさえ思い出すのも難しいかもしれませんが、受講されたり聴講するなど、立ち会われた方から、ちょっとした思い出なんかが出てくると未来の音楽家には嬉しいですね。
5年に一度くらい出版されるこの本ですが、今回は、ナウモフクラスを長年研究されている上田弘子先生がスルタノフの項目を執筆して下さいました。演奏家としての話だけでなく、そのレッスンにも触れて下さっています。
スルタノフはもちろん演奏家として活動していたわけで、どこかの音楽院で指導をしていたわけではないですが、マスタークラスは行っていたようです。そのことについてわかるのが、やはり上田弘子先生が執筆された、こちらの本です。
残念ながら、スルタノフが行ったマスタークラスの内容に関する記録というのは、少なくともインターネット上にはほぼ存在せず、私も「そういう瞬間があった」という数秒程度の動画断片を見たことがあるくらいです。かつて、スルタノフの弟のセルゲイ氏にこのことについて問い合わせてみたことはあったのですが、「実家のどこかに、ひょっとしたらビデオが残っているかもしれないけれども・・・・」という答えでした。残っていて、無事に発掘されることを祈りましょう!
レッスンも、録音・録画をしておかなければ、なかなか断片的なことさえ思い出すのも難しいかもしれませんが、受講されたり聴講するなど、立ち会われた方から、ちょっとした思い出なんかが出てくると未来の音楽家には嬉しいですね。
posted by Murakami at 21:47| Comment(0)
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