2021年05月18日

月刊「ショパン」で紹介されました

月刊「ショパン」の6月号のテーマは「夭折のピアニストを偲ぶ」ですが、その1人としてスルタノフも1ページ記事があります。
当支援会からも、少しお手伝いさせて頂きました。

是非お楽しみ下さい。
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2021年04月08日

古いインタビューと演奏

最近ロシア語圏のスルタノフサークルにて、以下の動画が発掘されました。

これは、1985年のインタビューです。
ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番の3楽章が少しだけ映像で流れますが、これは未公開のものだと思います。貴重ですね。

13:39あたりから。


また 32:27 あたりから、インタビューの続きで、スルタノフのお母さん(ナタリア)との会話があります。

内容について、ロシアのスルタノフファンを代表するマリーナさんより教えて頂きました。
それでも日本語に直すと意味がわかないところが多いのですが、何となく理解出来るところもあると思います。以下にその試訳を載せます。

悩みや不安について
レポーター(R):あなたはポジティブなヒーローですか?
アレクセイ(A):いや、それほどポジティブというわけではないんです。
R:どんなことをするとお母さんが不満に思ったり、苦しんだりしますか?自分ではどう思います?
A:実のところ、何か母を怒らせるのか、私にはよくわかりません。きっと、よくあることだと思いますが。
R:じゃあ、いつものことってなんでしょう。
A: 母はいつも何かしらに怒っていますからね。
R: あなたにとって一番難しいことは何ですか?
A: 時々いる人なんですが・・・
R: いや、あなたにとって難しいことです
A: 大人や両親、先生が、受け入れられないことを要求するのが理解出来ないです。大人との関係の中で、時々こういうことがあります。
R: 受け入れることが出来ないって、どんなことでしょう。音楽の理解が異なるとかですか。それとも、勤勉さ、勉強とかそういう意味でしょうか。
A: 音楽についてもあります。ほんの些細なレベルです。でも、勤勉さという意味では、確かにあります。完全に他の世界の娯楽を捨てて音楽だけに集中する。そしていつも、成長し、読書し、真剣に励む。これはとても出来ません。だって、人は皆、人であり、何か1つだけをすることなんか出来ないです。
R: じゃあ、他のことでは、どんなことがやりたいですか?
A: そうですね。他の気晴らしとか。真面目な音楽だけだけでなく。例えば友達とどこかへ行ったり。もしくは、一緒に何か作ったりとか、そういうやつです。
R: ちょっとふざけ合う、みたいな
A: そうです。そんなかんじ。くだらない話をしたり、リラックスしたり。

オーケストラとの演奏にかぶせて:
アレクセイスルタノフは16歳で、彼はタシケントの音楽院の特別コースの生徒です。「彼は有望です」と教師たちは言います。アリョーシャはウズベキスタンでコンサートを開き、レニングラード、ノボシビルスクで演奏し、東ドイツやポーランド、ユーゴスラビアのツアーにも行きました。多くの音楽コンクールにも参加しています。もちろん、アリョーシャの人生は、明るいお祭り、人々からの感謝、音楽の喜びなどにあふれています。

R: アリョーシャ、あなたは人生の中で大きく考えが変わる重要なこととかはありましたか。何か覚えていますか?
A: はい、2年前のことで、とてもありふれた例ですが。新しい生徒が学校に来たんですが、全く違う人生で、すごく大変な状況でした。
R: どんな風に大変なんでしょう。
A: 彼は自分で生計を立てる必要がありました。早くにして父親をなくしまして。そのことは、自分を変える1つのきっかけでした。全てが簡単に行く、なんてことはそうはない。自分はある意味幸運なのだと。

32:27あたりからのエピソード:
母:あなたは両親や環境に恵まれなかったと考えているかもしれないけど、それがあなた自身こそがあなたの環境なのよ。親ではない、あなたを支える誰かが現れるかもしれないし。
A: 親や先生は環境の一部ではないということ?
母:もちろんそうだけど、あなたにとって重荷なんでしょう
R: つらいといっていましたよね。そして啓蒙だと。
A: 啓蒙だとは言ってないよ
M: 他人に天才であることを求めるけど、自分自身には求めない。でも近くいる先生たちはみんな、スホムリンスキー、コルチャック、ネイガウス、ナウモフみたいに、自分自身のためでなく、全て天才たちのためであるべきね。別に天才でなく、注目されていない人たち。彼らがどう生きるか、それがどれだけ大変か。そして不満だらけ。それが問題ね。
R: どう、アリョーシャ?
A: 確かにそうかもしれないけど。でも両親に先生への不平以外のことを言う人なんかいる?普段はこんなことを言われた、などのちょっとした不平や、あとはこう言ったとか、褒められたとか。でも、先生への印象や意見なんかを声に出して言う人はあまりいないと思うけれども。
R: 心の中にとどめておくということ?
A: もちろんそう。全部。
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2020年10月17日

「究極のピアニストたち」でスルタノフが紹介されています。

「究極のピアニストたち: 20〜21世紀の名ピアニストの至芸と金言」というタイトルで本日より発売開始となったこちらの本ですが、巻末特別特集の「コンクール考現学」の中で、「時代と社会が生んだコンクールの光と影」という形でスルタノフが紹介されています。(一部記述を訂正すると、クライバーンコンクールで優勝したのは1985年ではなく1989年です

さらに、音楽の友 1996年3月号に掲載されたスルタノフへのインタビュー記事がそのまま4ページ掲載されています。
新しい記載ではないですが、今読んでも新鮮で私たちファンにとっても新しい気づきがありますし、25年前のショパンコンクール後にこのようなインタビューが行われていたことに興味のある方にとっても、とても貴重な資料だと思います。素晴らしい判断で掲載して下さった、編集部様に深く感謝します。
インタビューはそのままですが、プロファイルだけ今に合うように編集されていて、編集者様は当協会で提供する情報を参照して書いて下さったこともわかりました。こちらも感謝申し上げたいと思います。
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なお、スルタノフのショパンコンクールでの全演奏の動画は、以下にまとまっています。
もし今回のインタビュー記事でスルタノフのことを知った方がいらしたら、是非当時の会場の興奮も含めて、みて頂ければと思います。

第13回ショパン国際ピアノコンクールでの演奏映像(完全版): アレクセイ・スルタノフ情報
http://blog.alexeisultanov.jp/article/186526657.html


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2018年07月21日

NHKで放送された録音・録画

スルタノフの録音はCDレコーディングなどの正式なものに加え、各国のリサイタルのライブ録音なども貴重な資料として残っています。ご家族がプライベートで残しているものもありますし、ポーランドや韓国などのコンサート映像なども残っています。なかでも日本公演はNHKが残してくれており、世界的にも大変貴重な資料となっています。

もう20年ほど前のことになりますが、NHKはスルタノフのどの来日公演の録音を放送していたのか、というのは、こちらから検索・確認することが可能です。

番組表検索結果 | NHKクロニクル

10件が引っかかり、再放送もありますが、以下のように分類することが出来ると思います。

1. 1996年の録音 (東京芸術劇場)
- ベートーベン:熱情ソナタ
- ショパン:バラード第4番
など

2. 1996年の録画(1) (東京芸術劇場)
- ショパン:バラード第4番
- スクリャービン:ピアノソナタ第5番
- ラフマニノフ/ホロヴィッツ:ピアノソナタ第2番
など (下記とほぼ重複するでしょうが、スクリャービンの5番が貴重)

3. 1996年の録画(2) (東京芸術劇場)
- ショパン:バラード第4番
- ショパン:スケルツォ第3番
- ラフマニノフ/ホロヴィッツ:ピアノソナタ第2番
- ショパン:幻想即興曲
- ショパン:華麗なる大円舞曲

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4. 1999年の録音 (東京芸術劇場)
- ショパン:マズルカ op.56-3
- リスト:ピアノソナタ
など

5. 1999年の録画(1) (東京芸術劇場)
- ショパン:マズルカ op.56-3
- インタビュー(ロシア語 / 日本語字幕)
- リスト:ピアノソナタ
- リスト/ホロヴィッツ:ハンガリー狂詩曲 第2番
- ショパン:革命のエチュード

1999NHK.png
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6. 1999年の録画(2) (東京芸術劇場)
- ショパン:ピアノソナタ第3番

これらの中には、よく知られているのもあるでしょうし、一方で私も放映に気がつかず持っていないものもあります。

また、上記に記載してはいませんが、1995年のショパンコンクールもニュース番組で多少小さく取り上げられたようです(ドキュメンタリーはこの年はなかったようです)

来年、再来年は実はスルタノフのメモリアルイヤーであり、2019年は生誕50周年、2020年は、没後15年となります。2020年は、ショパンコンクールイヤーでもあります。ここに向かって、過去の貴重な資料を、NHK様に再放送して頂きたい、というのが今の私の夢であります。もし実現に向けて、よいアイディアなどがありましたら、是非、知恵と力をお貸し下さい。
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2018年05月21日

ショパン6月号

今月のショパン(6月号)に、スルタノフが登場しているので、ご紹介させて頂きます。

モスクワ音楽院で勉強されたピアニスト、長瀬賢弘さんの「ロシアピアノ教育のいま」の連載、今月はモスクワ音楽院入学前の子供たちについてで、モスクワ中央音楽院(ツェムシャー)が多少取り上げられていて、スルタノフの名前も見えます。

スルタノフはもちろんのこと、ロシアの神童がどのように育ったのかを知るのは、大変興味深いところです。取材協力には Tribute to Sultanov シリーズで有名な、今泉響平氏の名前も見えます。

1ページのコラムですが、ロシアの幼少教育の極意が恐縮された、大変貴重な内容になっておりますので、スルタノフファンはもちろん、ロシアピアノ教育にご興味ある方は是非ご一読頂くとよいと思います。

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