2018年03月03日

タマーラ・ポポヴィチ先生とスルタノフ

スルタノフが習った先生といえば、ウズベキスタン・タシケントでのタマーラ・ポポヴィチ先生(Tamara Afanasyevna Popovich / 1926.3.29 - 2010.8.6)と、モスクワでのレフ・ナウモフ先生です。スルタノフは 6歳からポポヴィチ先生に師事しており、スルタノフ史を語るにあたっても非常に重要です。

そんな中、先日 Facebook で大変貴重な動画が投稿されました。


この動画は、ポポヴィチ先生とその生徒たちを特集する動画です。スルタノフもポポヴィチ門下を代表するピアニストとして、冒頭に、クライバーンコンクールとショパンコンクールの演奏、そして後半には、リスト=ホロヴィッツのハンガリー狂詩曲第2番を演奏し、ステージからポポヴィチ先生に花束を渡しています。ポポヴィチ先生の嬉しそうなお顔。特にこの後半の動画は大変貴重で、スルタノフファンの多くも初見ではないでしょうか。

ウズベキスタンの神童たちは、だいたいポポヴィチ先生の教育を受けて、それからモスクワ音楽院やグネーシンに行くケースが多いようです。タシケントには、タシケント音楽院の付属学校的な位置づけとして、子供たちのための音楽教育機関のウスペンスキー音楽学校があります。ポポヴィチ先生も、これらの学校で指導をしており、スルタノフもここでレッスンを受けています。
弟、セルゲイ氏の証言によれば、ポポヴィチ先生は大変厳しく、多大な練習量をスルタノフに課した、と言われています。しかし、スルタノフはポポヴィチ先生を大変親しく思っており、フォートワースに移動後も、2年に一度はポポヴィチ先生をお招きしたそうです。ポポヴィチ先生は、スルタノフが病気になったときも、お見舞いに駆けつけてきてくれたそうで、そこには信頼しあう美しき師弟愛があると思います。

さて、スルタノフとポポヴィチ先生の関係について書かれた素晴らしい記事があるので、ご紹介させて頂きたいと思います。
Music Culture of the 20th Century UzbekistanGoogle翻訳による日本語訳

この中で、ポポヴィチ先生はスルタノフについてこのように語っています。
「アリョーシャは音楽をとてつもなく大きいスケールで読み取る能力があり、また感情面で大変恵まれていました。彼はステージ上で恐れを知らないという意味で、素晴らしい演奏家でした。」
この「恐れを知らない」という言葉は、スルタノフの奥様もよく使っていましたが、スルタノフのテクニックや音楽的才能もさることながら、この個性こそ、スルタノフを他のピアニストと大きく差別化する要因だったのではないかな、と思います。

最後に、ご家族から拝借した、スルタノフとポポヴィチ先生の思い出の写真を1枚紹介します。これはレッスン中の写真でしょうか。楽譜からは、ショパンの華麗なる大円舞曲のレッスンなのかと想像出来ます。
ポポヴィチ先生については、あまり資料がない状況ですが、どのようなレッスンをしたのか、大変興味深いところです。
alexei-and-popovich.jpg
posted by Murakami at 13:11| Comment(0) | ご家族

2018年02月19日

雑誌ショパン3月号にて紹介されています

2月17日発売の、雑誌「ショパン」3月号では、世界の音楽ガイドブックという特集があり、その「ロシア」のページの中で、スルタノフが紹介されています。


様々な国が紹介される中で、ロシアはピアニストの江本純子さんと、日高志野さんが執筆して下さっています。江本さんは、スルタノフの師匠のレフ・ナウモフ先生からレッスンを受けていた経験もお持ちで、何度もロシアに行かれてはロシア音楽やロシア作曲家などを研究されています。日高さんは、現在もモスクワ音楽院で勉強されていて、前回のチャイコフスキーコンクールは日本人唯一出場されており、ご存知の方も多いかと思います。

各国ピアニストが2名紹介される中で、ロシアからは、スルタノフとマツーエフが紹介されています。スルタノフについて執筆したのは日高さんと聞いていますが、江本さんとスルタノフの貴重のツーショット写真も公開されています。先日、こちらのブログでも父称について紹介しましたが、さすがロシアの専門家が書いただけあって、登場する全音楽家は父称付で紹介されています。
その他、スルタノフが勉強した、モスクワ音楽院はもちろんのこと、中央音楽学校まで写真付で記載があり、ファンには非常に魅力的な内容となっています。

記事の中では、1996年の幻想即興曲の録音を是非聞きましょうということですので、最後に同年のポーランドでの演奏会の動画を紹介しておきます。


ショパンは音大生からピアノ愛好家、ピアノ教師まで、幅広い読者層から読まれていると思いますが、ロシアというのはピアノ業界において今、注目度が高まっておりますし、これを機にスルタノフの名前を知ってもらったり、また、演奏を聴いてもらう機会になってもらえると嬉しいです。
posted by Murakami at 23:36| Comment(0) | ご家族

2018年02月03日

スルタノフとプロフ

スルタノフはウズベキスタンの出身ですが、ウズベキスタン料理で有名なものの1つに「プロフ」というものがあります。これは、ピラフを想像するとよいですが、中央アジアではよくあるように、肉は羊肉がよく使われます。

ウズベキスタンのプロフ - ロシア・ビヨンド

スルタノフは、この「プロフ」がとても好きだったといいます。家でもよく自分で作ったようですし、スルタノフ夫人も未だに作って食べるようです。

昨年、モスクワのスルタノフご家族(ご両親、弟のセルゲイさんとそのフィアンセ)を当支援会を中心とした日本人ファン一同で訪問した時に、スルタノフのお父様(ファイザルさん)が、歓迎のためのプロフを作って下さいました。ウズベキスタンでは、プロフは男性が作ることが多いようです。
その時の写真を共有させて頂きます。
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この時は日本人ゲストが多かったため、日本人の味覚にあわせて、羊肉ではなく牛肉を使って作って下さいました。しかし、この写真のプロフこそ、スルタノフが幼いころから食べていたものであり、演奏のパワーの源であったのだと思います。

さて、スルタノフとプロフといえば、もう1枚貴重な写真があります。
これは、1997年に撮影されたものですが、こちらはスルタノフ自身が料理した時の写真です。
奥様の証言によると、毎日料理するわけではなかったけれど、時々料理するプロフの味は絶品で、シェフとしてもすばらしかったとのことです。
Alexei and his plov 1997.jpg

プロフは日本のレストランでも食べれるところがありますし、是非スルタノフの食生活にならって、パワーいっぱいでピアノ演奏をしてみた方は、お試し下さい。
posted by Murakami at 21:48| Comment(0) | ご家族