2024年04月06日

Tribute to Sultanov ‘24 コンサートのお知らせ

2022年には、ピアニストの山口紺碧さんと一緒に、記念コンサートを開催することが出来ましたが、今年も良いお話をさせて頂くことが出来て、またこの2人で、スルタノフを記念するコンサートを開催することになりました。

Tribute to Sultanov ‘24 〜山口紺碧 & 村上雄介 ジョイントコンサート〜


いつもはスルタノフの誕生日である8月7日を意識して開催していますが、今回は少しコンセプトを変えて、7月28日に開催することにしました。これは、スルタノフがホロヴィッツに出会った日、1989年7月27日を意識して、今年はそこから35周年ということにフォーカスしてみます。

スルタノフがホロヴィッツに出会った日については、このブログでもいくつか記事を書きました。この日は、2人で連弾をしたという話もあり、シューベルトの幻想曲を弾いたと伝えられています。
そんな背景から、今回私たちは、シューベルトの幻想曲にチャレンジしてみたいと思います。その他、スルタノフ・ホロヴィッツを思い出すような曲目を並べてみました。アーニャちゃんと私は、一緒にスルタノフの家でプロフをご馳走になった仲であり、記念となるコンサートを一緒に出来ることが嬉しいです。

いつも通り、手持ちの資料を並べたり、エピソードをご紹介したりしながら、お客様と楽しい時間を共有したいと思います。

よろしければ是非皆さん遊びに来て下さい。

日時: 2024年7月28日(日) 13:30 開場 14:00 開演
会場: hall60(ホールソワサント)(明治神宮前[原宿]駅 徒歩5分)
チケット:【前売】1枚3000円、【当日】3500円  全席自由

出演
ピアノ:山口 紺碧(Ao Yamaguchi)
ピアノ:村上 雄介(Yusuke Murakami)

主催: アレクセイ・スルタノフ支援会, AnyaPlus
後援:ユーラシア交流支援センター、くらしき作陽大学、くらしき作陽大学鶴声会(同窓会)、国立音楽大学附属高等学校同窓会
チケット予約: こちらから受け付けております。
お問い合わせ: aoyamaguchi.pf@gmail.com

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2023年12月03日

モスクワで行われたスルタノフ記念コンサート

少し報告が遅れましたが、2023年11月10日(金)にモスクワの Niko Art Gallery で「"посвящение"(Dedication)」というタイトルでスルタノフの記念コンサートが開催されました。
今回も、モスクワのスルタノフチームをリードしているMarina Larichevaさんを中心に企画が進み、素晴らしいピアニストたちによる公演が行われました。
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プログラムは以下の通りでした。
Elizaveta UKRAINSKAYA
- チャイコフスキー=プレトニョフ:「眠れる森の美女」より「アダージョ」
- リスト:スペイン狂詩曲 S.254

Alexander KASHPURIN
- リスト:ダンテを読んで
- チャイコフスキー=プレトニョフ:「くるみ割り人形」より「アンダンテ・マエストーソ」

Alexander KLYUCHKO
- ショパン:ノクターン 第13番 Op.48-1
- ショパン:アンダンテスピアナートと華麗なる大ポロネーズ

Ilya PAPOYAN
- ラフマニノフ:ピアノソナタ第2番(初版)

この日の全ての演奏は、以下にドキュメンタリー動画としてまとめられました。


このドキュメンタリー動画自体に含まれていますが、今回のコンサートテーマの "Dedication" にふさわしく、出演者は自らの言葉でスルタノフについて語っているのがコンサートコンセプトとして素晴らしいと思います。彼らへのインタビューは当日会場で行われているようですが、実はコンサート開催にあたって、それぞれが事前にコンサートとスルタノフに対する思いを別途ショート動画でアップしており、そういう意味でも思いの伝わるコンサートでした。

実は彼ら4人、出演者は世界的にも有名なピアニストで、Ilya Papoyanさんは、2023年のチャイコフスキーコンクールで第3位の受賞者で、Aleksandr Kliuchkoさんも同コンクールで2次予選まで進んでいる実力者です。Elizaveta UKRAINSKAYAさんも、Alexander KASHPURINさんも、国際コンクールでの受賞経験がある素晴らしいピアニストです。(素晴らしい演奏を是非聞いて下さい!)

当日は、スルタノフのお父様であるファイザルさんも会場にいらっしゃり、暖かい雰囲気の良いコンサートということです。何枚か写真をお借りしてきました。
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さて、このドキュメンタリー動画の冒頭では、スルタノフのお母様のナタリアさんがインタビューに答えています。ナタリアさんがこのように出てくることは大変珍しく、貴重な動画となっています。
7歳の時に弾いたモーツァルトの協奏曲でのカデンツァ(弾かなかった)ことや、天才の育て方や、ポポヴィチ先生に出会えたことがどれだけ幸運だったか、ということについて、語ってくれています。
ナタリアさんはヴァイオリンの教師で、動画のの中でほんの一瞬だけEの音を弾いてくれている貴重なシーンもあります。

日本からなかなか応援に行けない世界情勢ではありますが、ロシアでの成功を大変嬉しく思います!
日本でも小さいものではありますが、来年7月28日にコンサートを行おうと思っており、また皆様にご案内出来たらと思います。
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2021年11月14日

スルタノフの新しいインタビュードキュメンタリーが公開されました。

「7歳にしてアリョーシャは天才だった」というタイトルで、スルタノフの新しい動画が公開されました。
これは、インタビューベースのドキュメンタリーとなっています。インタビューアーのElena Pogrebizhskayaさんは、YouTubeで35万人の登録者を持つロシアのジャーナリスト、ディレクター、脚本家で、ロシアTVアカデミーのメンバーでもあります。Elenaさんがスルタノフの弟、Sergei Sultanovさんにインタビューをしています。
全編ロシア語ではありますが、YouTubeの自動翻訳や映像などを見ればロシア語がわからなくても多少理解が出来ますし、未公開映像と思われる貴重なものもあるので、是非ご視聴してみて下さい。



おおまかな内容:
若き天才
- (Sergei氏にとって) Alexeiは天才であったといえるか → 3歳にして天才だったのでは 
- 9歳の頃のインタビュー(ウスペンスキー音楽学校で学びモーツアルトの協奏曲を弾いたなど)
- ポポヴィチ先生の話
- 中央音楽学校へ行き、家族でモスクワに引っ越した話
- 以前のTVでのドキュメンタリーと、ラフマニノフの協奏曲2番

チャイコフスキーコンクールと骨折
- 1986年のチャイコフスキーコンクールの話
- 小指を骨折した話
- 審査員が彼の小指を理由に本選に選ばなかったという話
- 1986年のドキュメンタリーより(レッスンやスケルツォ2番、舞台裏のナウモフ夫妻)
- ショパンのソナタ3番の3章の練習シーン(壁には、Sultanov というコンサートポスター)

喝采
- 過去のインタビュー
- ドイツのコンサート主催者との出会い
- クライバーンコンクールへの参加
- ホロヴィッツのモスクワコンサートでの出来事
- テコンドー、ヘリコプターや船の運転に挑戦した話、バンジージャンプの映像
- 日本のファンの話(何と当ブログや、ホームページが紹介されています)
- 日本人は彼の完璧さと誠実なところが好きなのではないか(Sergei氏の意見)
- 1999年の日本公演時のNHKインタビュー
- 1995年のショパンコンクール時の映像(演奏以外の映像も興味深い)
- スルタノフがショパンの音楽を愛していたということ
- 本選でのコンチェルトの演奏の後、拍手が鳴りやまなくてアナウンスが入ったこと(映像あり)
- 1998年のチャイコフスキーコンクールの話。ドレンスキー教授とマツーエフについて。
- チャイコフスキーコンクールの映像、その時のニュース(ドレンスキーのインタビュー)
- コンサートは多かったが、勤勉で完璧主義で、聴衆のために演奏した。

さらに加速して走る(run even faster)
- 1990年のUS TVに出演した時の動画(ジャズが好き)
- 脳卒中の話
- 日本とポーランドにある、スルタノフファンクラブの話
- タシケントで開催したい、アレクセイ・スルタノフ国際ピアノコンクールの話
- 革命のエチュードを弾く 15-16歳くらいの動画

公開数日後にして既にコメントは1,000件以上もついており、ほぼ全てがロシア語なので読み切れていませんが、中にはスルタノフの親戚の方の書き込みや、スルタノフに関する55ページの本がロシアで書かれたことがある、という内容もあり、今回の動画をきっかけとして、ロシアの中でまた情報が発掘されていくかもしれません。そうなることを期待しましょう!
posted by Murakami at 22:46| Comment(0) | ご家族

2019年09月20日

Sfogato国際音楽祭が開催されます

毎年ポーランドのクラクフで開催されている Sfogato国際音楽祭が、今年も開催されます。
今年は、以下を記念したイベントとなっております。

- ショパン没後170周年
- スタニスワフ・モニューシュコ生誕200周年
- クララ・シューマン生誕200周年
- グラジナ・バツェヴィチ生誕110周年、没後50周年
- アレクセイ・スルタノフ生誕50周年

音楽祭主催のMarta Polanskaさんは日本との関係も深く、また、ポーランドを代表するスルタノフファンとしても世界的に有名です。
そして、今年は日本ポーランド国交樹立100周年になりますが、それ記念して、日本人アーティストが参加することになり、恐れ多くも私、村上が出演させて頂く予定となりました。

この音楽祭は過去にも日本から、伊賀あゆみ&山口雅敏デュオが出席して、ポーランドのメディアで取り上げられました。


スルタノフの弟、セルゲイ・スルタノフも毎年参加しており、今年も参加します。




素晴らしい音楽祭となることを、大変楽しみにしています。
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2019年04月14日

スルタノフとボルシチ

以前、スルタノフとプロフに関する歴史のご紹介をしました。こちらにも記載した通り、スルタノフはご家族のプロフを食べて逞しく成長し、また自分でもプロフを時々料理していました。
スルタノフとプロフ

さて、プロフは、ウズベキスタンの代表的な料理ですが、やはり旧ソ連の出身として、またモスクワに長年在住しておりましたので、代表的なロシア料理である「ボルシチ」はどうだったか、というのも気になります。

これに関しても実は資料が多少あり、スルタノフは家庭でボルシチを料理していたようです。
以下は、1997年の秋頃、テキサスのご自宅のキッチンで料理しているシーンです。

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アメリカでの料理は、スープを作るのにもミネラルウォーターを使っていたようです。
そして、そのボルシチのお鍋はこちら。
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アメリカに移り住んでも、食文化は大事にされていたようですね。お味のほうも気になります。
posted by Murakami at 19:39| Comment(0) | ご家族