2021年02月13日

2000年3月 リガでのライブ録音

2000年3月に、スルタノフ夫妻はラトビアのリガでコンサートを行いました。リガは、スルタノフ夫人の出身地です。ブラックヘッドのギルドで行われたそのコンサートの録音は、スルタノフ夫人経由で当協会に伝わり、日本でリリースされました。
その時のマスターCDがこちらです。
LiveInRigaOriginal.jpg
日本での出版については、こちらのページをご参照下さい。

YouTubeもない当時、既に闘病中であったスルタノフの秘蔵ホロヴィッツ編曲集は大変話題になりました。
一方で、このCDとは別に「ポーランド版 ライブ・イン・リガ」というものが存在して、そちらには、これには入っていないショパンのソナタ3番が入っているという話もありました。

さて、月日は流れ、あれから17年。なんと、あの日のコンサートの全録音が公開されました。Inna Davidovaさんという方が公開されて、まずロシア語圏のピアノフォーラムで話題になり、日本にも情報が流れてきました。オリジナルの投稿には、Innaさんとスルタノフの写真も紹介されていました。

そして、この投稿で初めて、曲目と演奏順を知ることになりました。確かに、ショパンのソナタ3番も入っています。本プログラムが1999年の日本公演と同じであるならば、ハンガリー狂詩曲までが本プログラムで、死の舞踏、カルメン変奏曲、結婚行進曲がアンコールピースだったと思われます。


posted by Murakami at 23:29| Comment(0) | 演奏

2021年01月01日

1989年8月10日ラ・ロック・ダンテロン音楽祭での録音

新年早々ですが、スルタノフの未公開録音が発見されました。
ヴァン・クライバーンコンクール優勝後、丁度20歳になりたての1989年8月10日に、フランスのラ・ロック・ダンテロン音楽祭でリサイタルを行っていますが、その時のラジオ録音が公開されました。



演奏曲目は、以下です。
Mozart: Piano Sonata No. 10 in C major, K. 330
Chopin: Piano Sonata No. 3 in B minor, Op. 58
Rachmaninoff: Étude-Tableau in E-flat minor, Op. 39, No. 5
Prokofiev: Piano Sonata No. 7 in B-flat major, Op. 83
Liszt: Mephisto Waltz No. 1, S. 514

音楽祭の記録が記載されたこちらのサイトを見ると、ひょっとすると、もともとはモーツァルトではなくバッハの予定だったのかもしれません。そうすると時期的にイタリア協奏曲が予定されていたのかもしれません。このコンサートの開始時間は21:30と記載がありますので、夏の音楽祭らしく遅い時間だったようです。
http://www.festival-piano.com/fr/le-festival/editions-passees/edition-1989.html
ちなみに、録音には含まれていませんが、この日のアンコールは、ショパンの小犬のワルツと革命のエチュードを弾いています。このリサイタル全体として、フランスの新聞のレビューでも高評価をもらっています。

会場のParc du Château de Floransは、おそらくこんなところだと思います。

Festival de Piano.jpg
新年早々素晴らしいプレゼントになりました。レパートリとして新しいものはありませんが、全ての曲に、新鮮さを感じる演奏です。お楽しみ下さい。

posted by Murakami at 22:49| Comment(0) | 演奏

2019年12月18日

音源を判定する

先日YouTubeを歩き回っていると、ふと以下の録音を見つけました。



この録音、確かに2ページ目のところで、スルタノフの有名な内声弾きを行っているのですが、何回聞いても、私にはどうもスルタノフが弾いている気がしません。
そもそも情報として、1989年に17歳ではないというのもありますし、"SUPER RARE"としているのも怪しいです。

一方で、こちらはスルタノフが演奏した録音です。

もちろんライブの熱気もありますが、スルタノフらしい躍動感やリズムの取り方にあふれていると思います。

ふと気になって、詳しそうなロシア人2名に聞いてみましたが、彼らもスルタノフの録音ではない、といいます。
皆さんはどのように思いますか?お時間があったら、上の2つを聞いてみて下さい。
posted by Murakami at 21:36| Comment(3) | 演奏

2019年10月13日

スルタノフ編 "I love you"

少し詳しいスルタノフファンであれば、スルタノフが尾崎豊の楽曲を演奏して"Jewel"というCDにしていることをご存知かと思います。この中には、名曲 "I love you" など、合計13曲が収録されていて、YouTubeでも一部は聴けますし、日本のみならず海外のスルタノフファンからも注目されていました。

この中で、その代表作 "I love you" が、先日行われたスルタノフ生誕50周年記念コンサートで山口雅敏さんが採譜して初演されました。その時の映像がありますので、皆さんと共有したいと思います。


楽譜があれば弾かれるものでして、この動画の公開からまもなくして、以下のような動画もPTNAのチャンネルで公開されています。


答え合わせのようですが、スルタノフ本人による演奏は、こちらになります。当初は楽譜もないものでしたが、見事な再現だと思います。


このCDですが、昔は入手が難しくオークションなどで手に入れていました。私も2回ほど購入して、1枚はポーランドのスルタノフ研究家のMarta Polanskaさんにお送りしました。今では、Amazonなどでも中古品を大変お安く買えるようです。


この話には続きがあります。2004-2005年頃、私が運営していた当時のスルタノフの応援ページにNY在住のある方から以下のような書き込みがありました。(一部固有名詞マスキングしました)

先程のメールにて案内すれば良かったのですが、皆様に宣伝というか御報告が有ります。
1997年にテイチクから発売された『アレクセイ・スルタノフ/尾崎豊楽曲集「Jewel」』
を、リマスタリングCD+1997年ダラスでの録音風景の映像DVDを本年12月頃に発売させて
戴くことになりました。今、NYにてリマスタリングとDVDマスターを制作中です。
日本でのレコード会社はほぼ決定しておりますが、発売日に多少の変更が有ると思いますので、
最終決定後皆様に報告させていただきます。
価格は、CD+DVDの2枚組で3,800円を予定しています。DVDの映像は2〜30分位ですが、「Jewel」のリハーサルで、初めての楽曲に挑戦するスルタノフ氏のリアルな姿が印象的です。
また、スルタノフ氏の奥様から写真の提供もさせて戴き、DVDには映像の他に写真館のようなトラックも用意致しました。
さて、当サイトの管理者の方とはお話をさせて戴いてはおりませんが、このサイト経由での購入希望の方には、割引や先行発売等の特典を考えております。
当サイトの管理者の方とは面識も無く、断わりも無しに、宣伝まがいのことをしでかし、失礼を致しております。ファンの皆様へ一刻も早くお伝えしたく、このような書き込みをしたことをお許し
下さい。
株式会社XXXXXXXXX
(弊社のサイトは現在制作中です。スルタノフ氏のCD+DVD発売時に、オープンする予定です。)
プロデューサー XXXXXXXX


この書き込みをきっかけとして、私も、ライナーノーツを書かせて頂きまして、商品になる予定のDVDも視聴させて頂きました。手元にそのDVDがありますが、そこには、スタジオでコード譜のような楽譜を見ながら、編曲を楽しみながらリハーサルをするシーンや、本番テイクのシーンなどが映っています。残念ながら、おそらくその後何かの事情で発売はされなかったのだと思います。
このDVDを頂くにあたり、守秘義務契約自体は結局結ばなかったのですが、それ相応のお約束をしたので、親しい人にも見せず私の手元でお蔵入りになっています。
Jewelは音源だけだったので、本当にスルタノフが弾いているのか、という疑問もあるかと思いますが、間違いなく本人が演奏したものだと断言できるものです。

ジャケットまで作られていて、このようなものになりそうでした。一応ノイズをかけてあります。
DallasInSummar.jpg

以下はほんの一部ですが、私も、このような感じで結構長めのテキストを書いていました。いつかどこかで使えればと思います。
DiS-notes.jpg
posted by Murakami at 11:03| Comment(0) | 演奏

2019年09月07日

第13回ショパン国際ピアノコンクールでの演奏映像(完全版)

スルタノフが参加した1995年の第13回ショパン国際ピアノコンクールですが、幸いなことに全てのステージにおける演奏の映像が残っています。これまで YouTube では断片的に公開されていましたが、生誕50周年をお祝いして、このたび全てのステージのノーカット版完全映像が公開されました。

1次予選の映像:
バラード第4番 ヘ短調 op.52
練習曲 ハ短調 op.10-12
練習曲 ホ短調 op.25-5
練習曲 嬰ト短調 op.25-6
特に革命のエチュードは、チェルニー・ステファンスカが「こんな凄い革命は聴いたことがない」と言ったこともあって話題になりました。また、op.25-5 と op.25-6 は貴重な録音という価値もあります。
コンクール出演者の中には、この3度のエチュードを聴いて、帰りたくなったという人もいたそうです。


2次予選の映像:
夜想曲第13番 ハ短調 op.48-1
スケルツォ第2番 変ロ短調 op.31
24の前奏曲op.28より、20〜24番 op28-20,21,22,23,24
ワルツ第1番 変ホ長調 op.18
ポロネーズ第6番 変イ長調 op.53
スルタノフの2次予選はショパンコンクール史に残る伝説の1つでしょう。この映像の中でも、ワルツ1番の演奏後に、本来控えるべきであるところ、聴衆が思わず拍手をしているのがわかります。
また、最後のポロネーズ後はこちらの動画では切られていますが、拍手は10分以上続き、次の出演者がステージに出られなかったという伝説があります。純粋なショパンファンからも高い支持があったこのポロネーズですが、ポロネーズ賞とはなりませんでした。
英雄ポロネーズは、ライブでの演奏ではよく左手のオクターブを変えることがありますが、この時は楽譜通りに演奏しました。しかし、最後の最後に、つい音が足されてしまったのは、ファンの間で語られるところです。


3次予選の映像:
マズルカ第33,34,35番 op.56-1,2,3
ピアノ・ソナタ第3番 ロ短調 op.58
3次予選のソナタの演奏は、3楽章がゆっくり過ぎるところもあって、審査員の評判はあまりよくありませんでした。そうはいっても、このソナタ3番はコンクールを含め何度も演奏されたもので、本人としては自信のレパートリでしょう。
マズルカの op.56-1 は貴重な録音です。


本選の映像:
ポーランド民謡による幻想曲 イ長調 op13
ピアノ協奏曲第2番 ヘ短調 op.21
この協奏曲の演奏は本当に伝説です。ワルシャワの"ジチェ・ワルシャヴィ紙"は、「スルタノフが目ざましく華麗にコーダを弾き終えたとき、ピアニストとして自信をなくした人はひとりやふたりではなかったろう」と書きました。この演奏の素晴らしさについて語る音楽家も大変多いです。ショパンコンクールではよくあることですが、ピアニストが弾き終わった後、オーケストラを待たずにすごい拍手も映像から確認出来ます。これほど素晴らしい演奏ですが、残念ながら、コンチェルト賞も該当なしでした。
ポーランド民謡による幻想曲は珍しいレパートリですが、この年のコンクール課題で、貴重な録音が残りました。
posted by Murakami at 11:35| Comment(4) | 演奏