2019年06月10日

アンドレイ・デニセンコ ピアノリサイタル&交流会のご報告

昨日、すみだチェリーホールにて、アレクセイ・スルタノフ支援会主催で、アンドレイ・デニセンコのピアノリサイタル、交流会を実施致しました。
デニセンコ氏はその日の朝まで仙台におり、新幹線で朝東京に移動してきてすぐのコンサートになりました。
演奏したプログラムはコンクールで弾いたものとは全く異なりますが、コンクール後に仙台で複数回のコンサート機会をもらっており、そこで同一のプログラムで何度も弾いてきたようで、リハーサルも短時間で終わりました。特にこの日の2日前には、このプログラム全体を、1日に違う場所で3回も実施したようです。

前半は休憩のない 60分間のリサイタルで、最後に2曲アンコールを弾きました。
1) シューマン:トロイメライ
2) ラフマニノフ:絵画的練習曲《音の絵》より Op.39-1
アンコールは主催者の方針により、自由に座席を移動しての撮影自由な場とさせて頂きました。演奏写真をとったり、近くで手や体の使い方を見て頂き、ご満足いただけたのではないかと思います。
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後半は、まず最初に主催のほうからインタビューを行い、多くのお客様が気になる内容を聞いてみました。
主な内容は以下になります。
- 日本に来るのは何回目かどうか
⇒昨年の浜松国際ピアノコンクールに続き、今回が2回目
- 仙台コンクールの思い出
⇒ステージ演奏における心構えや、コンクールに対する考え方を共有して頂きました。
- 仙台での思い出
⇒青葉城や、神社、お寺などを訪れたり、綺麗な公園に行かれた思い出を話されました。また、松島も訪れて、それは人生で訪れた最も美しい場所の1つだということです。松尾芭蕉の俳句を引用して、会場からも笑いがありました。
- 日本の感想
⇒食事やお茶、文化など日本のものが全て好きで、出来るものなら、日本を全部持って帰国したいくらいだそうです。食事も、何度もお寿司を楽しみ、すきやきやしゃぶしゃぶも楽しんだようです。

ここから、少しピアノに関するインタビューもしてみました。概要をご紹介したいと思います。

- 子供の頃にどういうエチュードを使ったのか
⇒いくつか例をあげて頂きました。「日本のピアノ教育では、初期にいきなり親指を使い始めるが、ロシアのピアノ教育では中指を中心に始めるという印象がある。それについてどう思うか」と質問してみましたが、同じ思いを持たれているようです。
- 毎日のウォームアップの方法について
- 練習時間・練習場所について
⇒練習場所はご自宅か学校。自宅はアップライトピアノなようです。練習時間は、日によるとのこと。
- ピアノの好み(ヤマハ、カワイ、スタインウェイ)
⇒仙台での出場者の中で、ヤマハを選んだのはなんと彼1人でしたが、その理由などを語って頂きました。バッハという選曲が大きかったようです。
- 本日の会場とピアノについて(すみだチェリーホールのスタインウェイD型について)
⇒大変よいとのこと。
- 練習と本番で、演奏はどのように変わるか
⇒比較にはならない、全く別のもの。
- 本番で緊張しないコツなどはあるか
⇒小さくてもいいので、ステージ経験を済むことが大事でしょう。
- エチュードやメカニックの練習はどのようにしているのか
- オシペンコ先生とヴェニツカヤ先生の教え方の特徴
- 美しい1音を出すためのコツ
⇒体のどこをどう使って音を出すのか。ベートーベンのピアノ協奏曲第4番の冒頭を少し演奏してもらいました。
- 好きな作曲家とその理由
- 好きなピアニストは
⇒比較することは出来ないが、非常に重要なピアニストが2人います。「アレクセイ・スルタノフ」と「セルゲイ・ラフマニノフ」です。
- 演奏する時に意識する体の部分について
⇒指先が大事だが、もちろん体の全部が大事である
- 体操などをしているか
⇒手の体操などは特にしていない。よいコンディションを作るために、毎朝腕立て伏せをすることが多い。

その他、今後のコンクールについてや、次の来日予定などについても話が出ました。
そんな流れから、以下も少しだけ演奏してもらうことが出来ました。
- スクリャービン:ピアノソナタ第9番 黒ミサの冒頭
- ベートーベン:ピアノソナタ第32番 第1楽章の冒頭
- ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番 第1楽章の冒頭
- ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番 第3楽章の第2主題

最後は皆さん各自、質問をぶつけてみたり、写真を撮ったりと交流が進められました。
小さなホールで間近に接することで、デニセンコが素晴らしいピアニストであることを再認識することが出来ました。是非また来日して頂き、その時にはまた皆さんとの交流会を開催したいです。
posted by Murakami at 23:37| Comment(0) | コンサート

2019年06月08日

日高志野さんがタシケントで演奏されます

ピアニストの日高志野さんが、今月ウズベキスタンのタシケントを訪れて、ウズベキスタン国立音楽院で、演奏会とマスタークラスを開催される予定です。
日高さんは、過去にも雑誌ショパンにスルタノフ紹介の原稿を寄稿されていることもあり、タシケントでの活動機会はさぞかし嬉しいことかと思います。
ウズベキスタン国立音楽院は2002年まではタシケント音楽院と呼ばれていた伝統のある学校で、スルタノフなど優秀なタシケントの子供たちを輩出したウスペンスキー音楽学校とも関連があるはずです。

以下のチラシによると、
6月17日は、ウズベキスタン国立音楽院の小ホールでマスタークラスとコンサート
6月19日は、ウズベキスタン国立音楽院の大ホールでピアノ協奏曲
を演奏されます。
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ピアノ協奏曲は、モーツァルトの第12番(K.414)と、ピアノと管弦楽のためのロンド ニ長調(K.382)を演奏されます。

ピアノと管弦楽のためのロンドとは、スルタノフが7歳の時に、タシケントでデビューした曲でもありますが、スルタノフを深く尊敬する日高さんが、このタシケントの地で同じ曲を演奏されるとは何とも感動的であります。スルタノフ自身、この曲は大人になってから本番で弾くなど、思い入れがある曲のようで、自作カデンツァまで披露している動画があります。
こちらで入手した情報によると、スルタノフに対してかなり思いを込めて演奏されるとのことで、現地の音楽学校の学生たちには大変刺激になると思います。


日高さんはモスクワ音楽院での勉強を終えて帰国後も、いろいろと精力的に活動されています。
コンサート活動もそうですが、ロシアの文化を伝えるために、昨年同様、今年の夏も、東京外語大学の講座「ロシア・スラヴの言語と文化入門」で講師をされます。昨年は、外語大の教室に電子ピアノを持ち込み、声楽家との共演をされつつ、ロシア文化についていろいろお話をして下さいました。今年も興味深い講座になると思います。
posted by Murakami at 10:56| Comment(0) | コンサート

2019年06月04日

アンドレイ・デニセンコ東京公演イベントのお知らせ

過去数回の記事で、当支援会でもデニセンコ氏と親睦を深めてきた話を書きましたが、彼の日本滞在もそろそろ終了です。最後の1日は東京で過ごすようですが、そこで小さいコンサートを開催して、ファンとの交流を深める会を開催することになりました。

日時: 2019年6月9日(日) 14:10 開場 14:30 開演
会場: すみだチェリーホール(錦糸町駅 徒歩13分)
チケット:2,000円 全席自由

出演
ピアノ:アンドレイ・デニセンコ (Andrey DENISENKO)
主催: アレクセイ・スルタノフ支援会
後援:MPM企画
お問い合わせ: concert@alexeisultanov.jp
プログラム
J.S.バッハ:半音階的幻想曲とフーガ 二短調 BWV903
D.ショスタコーヴィチ:プレリュードとフーガ 変ニ長調 Op.87-15
F.ショパン:マズルカ Op.17-4
F.ショパン:練習曲 Op.25-10
R.シューマン:ピアノソナタ第1番 嬰ヘ短調 Op.11
曲目・曲順が変更になる場合がございます。
http://www.alexeisultanov.jp/concert/20190609.html

小さな会場ですので、終演後にお時間を取って、彼とお話したり、サインを頼んだり、写真を撮ったり、という時間を取ろうと思います。
世界で様々な経験をしてきた外国人ピアニストと会話するというのは、非常に貴重な機会かと思います。デニセンコ氏は、英語・ロシア語・ドイツ語を話しますが、コミュニケーションに関しては主催者側で最大限のフォローを致しますので、是非積極的にお話してみて下さい。

当日券もあると思いますが、主催者に直接、もしくは上記の問い合わせメールアドレスまで事前にご連絡頂けるとありがたいです。

このような方をお待ちしております。
- 仙台や浜松のコンクールで、デニセンコの演奏が気に入った
- ロシア人ピアニストの演奏が好き
- ロシアピアニズムについて、生の音を聴いて体感したい
- ロシア人ピアニストと直接会話をしてみたい
- ロシア人ピアニストと手のサイズを比較してみたい
- アレクセイ・スルタノフの演奏が好き
- アンナ・ヴィニツカヤの演奏が好き
- 小さな会場で、プロフェッショナルが演奏すると、どのような音がするのかを知りたい

posted by Murakami at 21:25| Comment(2) | コンサート

2019年05月04日

テキサスで開催されたAlexei Sultanov Tribute Concert

日本でもスルタノフの記念コンサートを行っていますが、スルタノフが最後に暮らした土地、テキサスのフォートワースでも、記念コンサートがよく開催されています。
今年も奥様の Dace Sultanov 氏を中心に 4/28 に開催されました。会場はフォートワースの教会、First United Methodist Churchになります。その時のコンサートが全編 YouTube に公開されましたのでご紹介したいと思います。



コンサートは、スルタノフが好んだ曲が幅広いジャンルから選ばれており、出演者からスルタノフ・ファミリーへの深い愛情を感じることが出来ます。

最初に、スコット・ジョプリンのメープル・リーフ・ラグが演奏されました。ピアノ演奏は、昨年のコンサートにも出演したオルガン奏者のPeggy Graff氏です。

その後、主催のDace氏から、簡単なお話がありました。
- ホロヴィッツのコンサートで屋根から滑り落ちそうになったDace氏を救ってくれたこと
- クライバーンのコンクールで優勝し、Devid Lettermanのショーに出演したこと
- 飛行機の中で、盲腸の女の子を助けたこと
- 4年半の闘病中の中で、左半身が麻痺しながらも、ピアノを弾いたこと
- フォートワースに、「アレクセイの噴水」を作りたいということ

次に「Jon Fortman」という作曲家が、Alexei と Dace のために作曲した作品、「Magija Harmonija」が演奏されました。この作品は、もともと昨年オルガンとチェロのために作曲されたものですが、今日の日のために再度オーケストラ向けで編曲されました。

それから、スルタノフが好きな作曲家「Nino Rota」の映画「Amarcord」から、ピアノとチェロで「Mia malinconia」という作品。

さらに、スルタノフがテレビゲームが大好きであった(ゼルダや、ファイナルファンタジー、マリオなど)という話をした上で、ウクレレ奏者の Tom McDermott氏による、スーパーマリオのテーマ。

続いて、ピアノとチェロの演奏で、タイスの瞑想曲。さらに、スルタノフがアンコールによく弾いたということから、カルメンのジプシーの踊りをサラサーテ版をチェロにアレンジして演奏。

そして、ここからは、雰囲気をがらっと変えて、eleven:eleven という教会バンドによる演奏になります。Dace氏はこのバンドで演奏するようになって、今年のイースターでちょうど10年を迎えたそうです。
Brad Thompson氏をリードボーカルとして、ここからスルタノフが好んだ曲が次々と演奏されました。
- Stevie Wonder: I just called to say I love you
- Michael Jackson: Billie Jean
- Louis Armstrong: What a Wonderful World
- Gloria Gaynor: I Will Survive
- Stevie Wonder: Sir Duke

そして最後に、アンコールで以下を演奏しました。
Sam and Dave: Hold on I'm coming

心温まる演奏会に見えました。日本やポーランド、モスクワなど、世界各地でこのような企画は行われているわけですが、とてもアメリカ的であり、そして地元の応援というかんじがします。

また、長年の夢であった、「スルタノフの噴水」の企画も紹介され、順調に進んでいそうなことがわかりました。
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posted by Murakami at 08:34| Comment(0) | コンサート

2019年04月21日

1996年ワルシャワコンサートの録画

スルタノフの録音・録画の中でも、日本公演のものや、コンクールの演奏はよく知られているのですが、他国でのコンサートの録音・録画で、その国のテレビ局・ラジオ局で放映されたものも、多少あります。これらは大変貴重なものです。

1996年のワルシャワ公演は、YouTubeで確認することが出来るのですが、大変貴重なものです。
以下はバラード4番の演奏になります。


この Nissor氏は、このリサイタルの全4編を公開してくれています。
- ショパン:バラード4番
- ショパン:スケルツォ3番
- ショパン:ワルツ1番
- ショパン:幻想即興曲
ご興味がある方は、是非聞いてみて下さい。

さて、ところで、この Nissor氏こと、Ulugbek Palvanov氏は、以前も紹介させて頂いた通り、スルタノフとも大変関係が深いピアニストです。彼は、タシケント出身であり、Tamara Popovich先生に師事し、さらには Lev Naumov 先生にも師事しています。彼の YouTubeライブラリからは、自身の演奏も公開されていますが、大変魅力的な演奏で、きっとスルタノフファンならば気に入るのではないかと思います。是非一度聞いてみて下さい。

ちなみに、Popovich先生の門下生に興味がある場合は、こちらの記事が必読です!私も何度でも読みたいです!
Music Culture of the 20th Century Uzbekistan
posted by Murakami at 00:16| Comment(1) | コンサート