2024年02月11日

スルタノフの書籍(英語)が今年出版されます

今年はスルタノフ生誕55周年になりますが、アメリカではスルタノフに関する新しい書籍が出版されます。

日本のネット通販などでも購入することが出来ます。
A Final Encore: The Life, Music, and Tragedy of Alexei Sultanov, Winner of the 1989 Van Cliburn International Piano Competition

この筆者は J W Wilsonさんというテキサスに住む方ですが、フォートワースのスルタノフ夫人ならびに関係者と親しくしている方ですので、多くの直接的な情報をお持ちですし、スルタノフ史を語る上で、欠かせない人物の1人であるとも言えます。
実は私のところにも、5年前から問い合わせがあり、日本から提供できる情報をお渡ししていました。長年の調査・執筆期間が終わり、発売日は今年の7/10になるようです。ページ数はなんと312ページ。

気になる内容ですが、以下のように記載されていますね。
Accidental Encore unveils the life of the young Soviet piano prodigy, Alexei Sultanov--his upbringing behind the Iron Curtain, studying at the Moscow Conservatory, and his wild romance to his beloved, Dace Abele. When nineteen-year-old Alexei found his opportunity to leave the Soviet Union for the United States to compete in the 1989 Van Cliburn International Piano Competition in Fort Worth, Texas, he shocked the world and won. The ensuing chaos of Alexei's instant fame coupled with his immaturity culminated in a sudden series of strokes, leaving him severely crippled and no longer able to play the piano. Arduous rehabilitation with tremendous support from his wife led to a return to the keyboard, though no longer on the world stage. This book casts a spotlight on one of brightest stars in the classical music world whose untimely death and legacy carry on today.

ソ連時代のことやモスクワ音楽院での学生時代。これは外せない奥様Dace Abeleさんとのロマンス。19歳の時にソ連からアメリカに来てクライバーン国際ピアノコンクールに優勝したこと。そして闘病生活とリハビリについて。きっとまだ日本では知られていない内容やお話もあるかもしれません。
英語ではありますが、今から読むのが楽しみですね!

1989年のクライバーンコンクールといえば、こちらのドキュメンタリーです。スルタノフについて書かれた書籍はいくつかありますが、現地の方から書かれていて、とても期待の一冊です。
posted by Murakami at 14:09| Comment(0) | お知らせ

2024年01月28日

スルタノフ・アーティストの今泉響平氏が東京でレッスンを開始します

タイトル通りではありますが、当会でも活躍中のピアニスト、今泉響平さんが、東京でレッスンを開始することになったようです。もともと福岡を拠点とされていますが、このたび東京でもレッスンをされることになりました。今泉さんは世界的には、特にロシア方面では広く名が知られていましたが、2021年のPTNA特級での入賞により、日本でもファンが急増したと思います。

今回のレッスンの件について、詳細は、以下本人のホームページにあります。

https://kyohei-imaizumi.com/lesson/

今泉響平さんといえば、過去に当会主催のコンサートに何度も出演し、またこちらのブログでも紹介しました。例えばこちらのエントリーです。

ヴラディミール・ホロヴィッツ編曲集」というタイトルで発売中のCDでは、ラフマニノフのソナタ2番、リストのメフィストワルツの2曲が、スルタノフ版を採用して録音されています。おそらく、スルタノフ版を使って録音されたCDは、本人以外は世界初だと思います。

スルタノフファンのピアノ愛好家の皆さんにとっては、技術的なこともそうですし、スルタノフの音楽的なアイディアや工夫、表現をどのように参考にしながら自分の音楽を作っていくか、というのが大事かと思いますが、きっと参考になると思います。
モスクワ音楽院では、オフチニコフ先生に師事されていますが、ナウモフ先生からの伝統を継承するラインで、レッスンは、スルタノフも受けていたモスクワ音楽院の29番教室で受講されていました。そんな貴重な話も聞けるかもしれません。

以下に、代表的な YouTube の動画を紹介しますが、今泉さんのスルタノフ愛が感じられますね。


モスクワ音楽院のラフマニノフホールでの演奏より、リストのハンガリー狂詩曲第2番。


こちらもロシアでの公演から。ショパンの幻想即興曲。


2023-24年のコンサートでも、いかにもスルタノフの演奏に影響を受けた、リストのメフィストワルツやショパンのバラード1番、ベートーヴェンの熱情などを弾かれていました。

ご興味があれば、是非お問合せなどしてみて下さい。
posted by Murakami at 21:30| Comment(0) | お知らせ

2023年12月18日

SNSアカウントを始めます

これまで細々とブログなどで活動していたアレクセイ・スルタノフ支援会ですが、このたび、AnyaPlus様との協業で、SNS活動を始めることになりました。

私たちの活動の基本方針である「伝説的ピアニスト アレクセイ・スルタノフ(1969-2005)が永遠に語り続けられる」ことを目標に、国内外での関連情報を日本のファンの皆さんにお届けしていきたいと思います。
どちらのアカウントも、スルタノフご家族に公式に認定されたものとなっています。

X(Twitter)アカウント:
https://twitter.com/ASultanovJP
こちらでは当ブログの更新や、ちょっとしたニュースや情報を投稿していきます。

Instagramアカウント:
https://www.instagram.com/sultanovjp/
こちらでは、写真や映像などを共有しながら、記念日などをお祝いしていこうと思います。

どちらも、ご自由にフォローなどして頂いて結構です。リツイートなどで、盛り上げて下さる仲間の方々を歓迎致します!
多くの皆様にスルタノフのことを知るきっかけになって頂いたり、また感動するきっかけになれば幸いです。

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posted by Murakami at 22:26| Comment(0) | お知らせ

2023年03月26日

ナッシュビルショパンコンクールにスルタノフ賞が用意されます

2023年10月14-15日に、アメリカのテネシー州ナッシュビルで、「Nashville International Chopin Piano Competition」が開催されます。これは、どうやら新しいコンクールのようですが、Pavel NersessianやKevin Kennerなど著名ピアニストが審査員となっています。

このコンクールですが、1位とは別に「Alexei Sultanov Memorial Discovery Prize」という賞が用意されることが発表になりました。

コンクール自体は3つのカテゴリがあり、6-10歳の部、11-15歳の部、16-22歳の部があり、それぞれ1位から3位までが用意されていますが、この全ての部門の中から、グランプリにふさわしい1名に授与される特別な賞で、賞金も2万ドルと他に比べると破格になっています。

会場は、Belmont UniversityのMcAfee Concert Hallというところのようです。

16-22歳の部は、エチュード2曲を含む45分のショパンプログラムになります。
2023年8月1日が締め切りで、22001年10月14日以降に生まれた方が対象です。
よかったら、日本からもこのコンクールに是非参加してみませんか。
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2021年06月20日

スルタノフの生涯を題材にした映画がロシアで製作されました

ロシアで作成された映画 "To Feel (原題:Чувствовать)"が最近ロシア方面で話題になっています。
この映画に「スルタノフ」という名前は出てこないのですが、スルタノフの実話を元にして作られた映画です。スルタノフと奥様との出会いのシーン、1986年と1998年のチャイコフスキーコンクール、モスクワ音楽院の教授たちとの確執、脳出血とその後の生涯についてが含まれます。
内容はスルタノフが2000年のラジオインタビューでLyudmila Osipovaさんと会話したことが中心になっています。
この映画の情報に、ピアニストのベレゾフスキーも「興味深い!」とコメントしており、この関係性も興味深いところではあります。

現在上海国際映画祭に出展されており、その後市場に出てくるようです。(受賞は逃したようにも見えます)

映画祭の紹介を抜粋すると、以下のような内容です。
世界的ピアニストが故郷のソ連に帰ってきて、チャイコフスキーコンクールに参加する。しかし、審査員はファイナリストに選ぶこともしなかった。このイベントは彼にとって運命を決めることになる


映画の予告編はこちらになります。予想が付くシーンが美しく映像化されていますね。


映画は小さな2本立てになっており、その1つがこのピアニストについてになります。
75分の白黒映画です。
監督はVitaly Saltykov
主演はEvgeny Serzin
映画は、タルコフスキー監督の「惑星ソラリス」の影響もあるとのこと。

こちらは2020年に行われた製作発表です。ロシア語はわからなくても、主演俳優の Evgenyさんが「アレクセイ・スルタノフが・・・」言っているのがわかりますね。インタビューの後半では、スルタノフとホロヴィッツについて何か言っているように聞こえます。


ロシアでは、監督と主演によるインタビューが、6/20にラジオで放送されるようで、どのような内容が話されるかも気がかりです。

映画の日本からの入手方法などについては、またわかり次第お伝えするように致します。
posted by Murakami at 18:47| Comment(0) | お知らせ