以前ご紹介した通り、3/14(土)に、モスクワでスルタノフ生誕50周年記念コンサートが開催されました。
今回のコンサートは、コロナウイルスに関する政府の指令で予定した開催場所が直前で使えなくなってしまい、急遽場所をモスクワの第163番図書館に変えて開催されました。
内容:
お祝いの言葉:
Marina Laricheva (心理学者, 「ピアニスト アレクセイ・スルタノフ」グループ管理者)
Dmitry Onishchenko(チャイコフスキーコンクール入賞、ウラル音楽院講師 / レフ・ナウモフ門下 )
プログラム:
Semyon Gilev
チャイコフスキー=ヴォロドス:16の子供のための歌より子守歌 Op.54-10
ショパン:スケルツォ第3番 Op.39
Yulia Muzalevskaya(プロコフィエフ記念モスクワ音楽学校)
ラフマニノフ:練習曲 音の絵より Op.39-5
Peter Savitsky(ショパン記念モスクワ音楽学校)
スクリャービン:2つの詩曲 Op.32
ラフマニノフ:練習曲 音の絵より Op.33-6
Sergei Sultanov, Vasily Solovyov
ショパン=リスト:乙女の願い
ラフマニノフ:チェロソナタより第3楽章
当日のビデオサマリは以下です。フコンタクテ(VK / ロシアSNS)に投稿された動画です。
この公演はスルタノフに関する本を最近出版された、Mikhail Muzalevskyが主催されています。ご家族から提供された、貴重な写真の展示や、リハーサルの動画なども放映されたようです
ご挨拶をするMikhail Muzalevskyさん
Mikhailさんのご挨拶に始まり、ロシアを代表するスルタノフファンのマリーナさんからお祝いのメッセージがありました。そして、日本でもおなじみ、ナウモフ門下のオニシチェンコからビデオメッセージがありました。
ロシア語でビデオメッセージを送るオニシチェンコ氏。
サマリー:
皆さん、私はアレクセイ・スルタノフは過去であり、現在であり、そして未来であることを喜んでお伝えしたいと思います。芸術家の人生が終わった時、その功績は汚されることなく、私たちの前に存在するのです。学校で、私たちは過去のことから多くを学びますが、アレクセイはまさにその代表となるような人です。真の天才が社会から適切な評価を受けれないことはあるでしょう。音楽家であれば、社会からの評価を期待するのは当然のことです。アレクセイは生前受けていた評価が不適切であったことは皆が知るところです。彼はこれから評価されるのです。
私は個人的にアレクセイにとても親しみを持っています。レフ・ナウモフツリーの一員であるからです。ナウモフ門下は1つの家族です。私にとって、このナウモフツリーの一員でいられていることは、大きな喜びです。私は、アレクセイの名前がこの世から消えることなく、彼の記憶や残した遺産が次世代に引き継がれるために全力を尽くしたいと思っています。
演奏をするSemyon Gilevさん。
(なお Semyon Gilev さんの YouTubeチャンネルを見ると、彼が長年のスルタノフファンであり、そして、この Op.10-1 の演奏から素晴らしいテクニックを持った音楽家であることがわかります。)
演奏をするYulia Muzalevskayaさん
演奏をするPeter Savitskyさん
演奏をするSergei Sultanovさん
演奏をするSergei SultanovさんとVasily Solovyovさん
会場にはスルタノフの両親もいらっしゃって、コンサートの開催に感謝されていたとのことです。
会場のファイザル氏(スルタノフ父)
2020年03月21日
モスクワで行われたスルタノフ生誕50周年記念コンサートのご報告
posted by Murakami at 22:29| Comment(2)
| コンサート
記事は拝読させていただいていたのですが
なかなかコメントを入れられず…
記事の中のメッセージに共感してしまいました。真の天才は社会から適切な評価をされないことも…という件で…
芸術には個人の好みもありますので
どう評価されるのかは難しいところではありますが、現に今を生きる方々の道標的な存在となっている事が、その証なのではないのでしょうか…
私は、何度も聴き直したり、他の方との聴き比べをしますが、やっぱりスルタノフ氏の演奏が好きです。
それと…以前に、このCDの録音はライブの演奏と全く違うという話題がありましたが
それは最近ハーモニーさんがYouTubeにアップしてる1992年の録音でしょうか?
バラード4番もスケルツォもポロネーズも
テンポも弾き方?も全く違うので
もしかしたら?!と思いまして…
書かれている通り、harmony14447さんがアップされている1992年のシリーズは、スタジオ録音をしたものです。
以前、スルタノフが使ったショパンの楽譜に書き込みがあるが、それは録音エンジニアとのやりとりに使ったという記事を書きましたが、その時のものになります。
聞いての通り、ライブ録音とは結構アプローチが違うんですが、それもまたよいと思います。