スルタノフが参加した1995年の第13回ショパン国際ピアノコンクールですが、幸いなことに全てのステージにおける演奏の映像が残っています。これまで YouTube では断片的に公開されていましたが、生誕50周年をお祝いして、このたび全てのステージのノーカット版完全映像が公開されました。
1次予選の映像:
バラード第4番 ヘ短調 op.52
練習曲 ハ短調 op.10-12
練習曲 ホ短調 op.25-5
練習曲 嬰ト短調 op.25-6
特に革命のエチュードは、チェルニー・ステファンスカが「こんな凄い革命は聴いたことがない」と言ったこともあって話題になりました。また、op.25-5 と op.25-6 は貴重な録音という価値もあります。
コンクール出演者の中には、この3度のエチュードを聴いて、帰りたくなったという人もいたそうです。
2次予選の映像:
夜想曲第13番 ハ短調 op.48-1
スケルツォ第2番 変ロ短調 op.31
24の前奏曲op.28より、20〜24番 op28-20,21,22,23,24
ワルツ第1番 変ホ長調 op.18
ポロネーズ第6番 変イ長調 op.53
スルタノフの2次予選はショパンコンクール史に残る伝説の1つでしょう。この映像の中でも、ワルツ1番の演奏後に、本来控えるべきであるところ、聴衆が思わず拍手をしているのがわかります。
また、最後のポロネーズ後はこちらの動画では切られていますが、拍手は10分以上続き、次の出演者がステージに出られなかったという伝説があります。純粋なショパンファンからも高い支持があったこのポロネーズですが、ポロネーズ賞とはなりませんでした。
英雄ポロネーズは、ライブでの演奏ではよく左手のオクターブを変えることがありますが、この時は楽譜通りに演奏しました。しかし、最後の最後に、つい音が足されてしまったのは、ファンの間で語られるところです。
3次予選の映像:
マズルカ第33,34,35番 op.56-1,2,3
ピアノ・ソナタ第3番 ロ短調 op.58
3次予選のソナタの演奏は、3楽章がゆっくり過ぎるところもあって、審査員の評判はあまりよくありませんでした。そうはいっても、このソナタ3番はコンクールを含め何度も演奏されたもので、本人としては自信のレパートリでしょう。
マズルカの op.56-1 は貴重な録音です。
本選の映像:
ポーランド民謡による幻想曲 イ長調 op13
ピアノ協奏曲第2番 ヘ短調 op.21
この協奏曲の演奏は本当に伝説です。ワルシャワの"ジチェ・ワルシャヴィ紙"は、「スルタノフが目ざましく華麗にコーダを弾き終えたとき、ピアニストとして自信をなくした人はひとりやふたりではなかったろう」と書きました。この演奏の素晴らしさについて語る音楽家も大変多いです。ショパンコンクールではよくあることですが、ピアニストが弾き終わった後、オーケストラを待たずにすごい拍手も映像から確認出来ます。これほど素晴らしい演奏ですが、残念ながら、コンチェルト賞も該当なしでした。
ポーランド民謡による幻想曲は珍しいレパートリですが、この年のコンクール課題で、貴重な録音が残りました。
2019年09月07日
第13回ショパン国際ピアノコンクールでの演奏映像(完全版)
posted by Murakami at 11:35| Comment(4)
| 演奏
これで、毎日ここを訪れてしまいますね(笑)
このショパンコンクールの課題曲すべて
とても素晴らしい演奏でした。
ソナタ…私はチャイコフスキーの時よりも
このコンクールの方の演奏が好きです。
凄く引き込まれました。
そして、コンチェルトですが
スルタノフ氏のこの演奏は
とてもドラマチックで思わず涙してしまうくらい心が揺さぶられました。
他の方の演奏を聴いてもそんな風に感じないんですょね。
このショパンコンクールの課題曲すべて
とても素晴らしい演奏でした。
ソナタ…私はチャイコフスキーの時よりも
このコンクールの方の演奏が好きです。
凄く引き込まれました。
そして、コンチェルトですが
スルタノフ氏のこの演奏は
とてもドラマチックで思わず涙してしまうくらい心が揺さぶられました。
他の方の2番の演奏を聴いてもそんな風に感じないんですょね。
ショパンコンクールのまとめは、いつになく皆さんから注目されていて、やはり、皆さんこのショパンコンクールの演奏にはすごく注目していることがわかります。
チャイコフスキーコンクールも素晴らしいですが、ショパンコンクールの時の演奏は格別ですね。コンチェルト2番は、私も本当に大好きですし、この演奏が好きな人は本当に多いと思います。オフィシャルなレコーディングは、2番に関してはこれくらいなので、本当に貴重でありがたいことです!