昨日、すみだチェリーホールにて、アレクセイ・スルタノフ支援会主催で、アンドレイ・デニセンコのピアノリサイタル、交流会を実施致しました。
デニセンコ氏はその日の朝まで仙台におり、新幹線で朝東京に移動してきてすぐのコンサートになりました。
演奏したプログラムはコンクールで弾いたものとは全く異なりますが、コンクール後に仙台で複数回のコンサート機会をもらっており、そこで同一のプログラムで何度も弾いてきたようで、リハーサルも短時間で終わりました。特にこの日の2日前には、このプログラム全体を、1日に違う場所で3回も実施したようです。
前半は休憩のない 60分間のリサイタルで、最後に2曲アンコールを弾きました。
1) シューマン:トロイメライ
2) ラフマニノフ:絵画的練習曲《音の絵》より Op.39-1
アンコールは主催者の方針により、自由に座席を移動しての撮影自由な場とさせて頂きました。演奏写真をとったり、近くで手や体の使い方を見て頂き、ご満足いただけたのではないかと思います。
後半は、まず最初に主催のほうからインタビューを行い、多くのお客様が気になる内容を聞いてみました。
主な内容は以下になります。
- 日本に来るのは何回目かどうか
⇒昨年の浜松国際ピアノコンクールに続き、今回が2回目
- 仙台コンクールの思い出
⇒ステージ演奏における心構えや、コンクールに対する考え方を共有して頂きました。
- 仙台での思い出
⇒青葉城や、神社、お寺などを訪れたり、綺麗な公園に行かれた思い出を話されました。また、松島も訪れて、それは人生で訪れた最も美しい場所の1つだということです。松尾芭蕉の俳句を引用して、会場からも笑いがありました。
- 日本の感想
⇒食事やお茶、文化など日本のものが全て好きで、出来るものなら、日本を全部持って帰国したいくらいだそうです。食事も、何度もお寿司を楽しみ、すきやきやしゃぶしゃぶも楽しんだようです。
ここから、少しピアノに関するインタビューもしてみました。概要をご紹介したいと思います。
- 子供の頃にどういうエチュードを使ったのか
⇒いくつか例をあげて頂きました。「日本のピアノ教育では、初期にいきなり親指を使い始めるが、ロシアのピアノ教育では中指を中心に始めるという印象がある。それについてどう思うか」と質問してみましたが、同じ思いを持たれているようです。
- 毎日のウォームアップの方法について
- 練習時間・練習場所について
⇒練習場所はご自宅か学校。自宅はアップライトピアノなようです。練習時間は、日によるとのこと。
- ピアノの好み(ヤマハ、カワイ、スタインウェイ)
⇒仙台での出場者の中で、ヤマハを選んだのはなんと彼1人でしたが、その理由などを語って頂きました。バッハという選曲が大きかったようです。
- 本日の会場とピアノについて(すみだチェリーホールのスタインウェイD型について)
⇒大変よいとのこと。
- 練習と本番で、演奏はどのように変わるか
⇒比較にはならない、全く別のもの。
- 本番で緊張しないコツなどはあるか
⇒小さくてもいいので、ステージ経験を済むことが大事でしょう。
- エチュードやメカニックの練習はどのようにしているのか
- オシペンコ先生とヴェニツカヤ先生の教え方の特徴
- 美しい1音を出すためのコツ
⇒体のどこをどう使って音を出すのか。ベートーベンのピアノ協奏曲第4番の冒頭を少し演奏してもらいました。
- 好きな作曲家とその理由
- 好きなピアニストは
⇒比較することは出来ないが、非常に重要なピアニストが2人います。「アレクセイ・スルタノフ」と「セルゲイ・ラフマニノフ」です。
- 演奏する時に意識する体の部分について
⇒指先が大事だが、もちろん体の全部が大事である
- 体操などをしているか
⇒手の体操などは特にしていない。よいコンディションを作るために、毎朝腕立て伏せをすることが多い。
その他、今後のコンクールについてや、次の来日予定などについても話が出ました。
そんな流れから、以下も少しだけ演奏してもらうことが出来ました。
- スクリャービン:ピアノソナタ第9番 黒ミサの冒頭
- ベートーベン:ピアノソナタ第32番 第1楽章の冒頭
- ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番 第1楽章の冒頭
- ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番 第3楽章の第2主題
最後は皆さん各自、質問をぶつけてみたり、写真を撮ったりと交流が進められました。
小さなホールで間近に接することで、デニセンコが素晴らしいピアニストであることを再認識することが出来ました。是非また来日して頂き、その時にはまた皆さんとの交流会を開催したいです。
2019年06月10日
アンドレイ・デニセンコ ピアノリサイタル&交流会のご報告
posted by Murakami at 23:37| Comment(0)
| コンサート
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