2019年06月01日

アンドレイ・デニセンコ氏との会話

前回のブログエントリで、仙台国際音楽コンクール出場のアンドレイ・デニセンコ氏をご紹介しました。
そこで、少しデニセンコ氏と会話が出来たので、その内容をご紹介していきたいと思います。

実は本人と会話をするまで、デニセンコ氏がスルタノフファンであるか、確信がありませんでした。その理由は、彼の選曲などにあまりスルタノフの影響を感じなかったためです。一方で、AndreyDenisenkoという名前のYouTubeアカウントでは、スルタノフの動画がたくさん投稿されています。
これについて本人に会話してみたところ、彼自身スルタノフファンであると断言しており、実際レパートリの話をしても、実に詳しくいろいろな知識を持っています。スルタノフの音源について、ラフマニノフの3番の録音はあるのか、とか、ショスタコーヴィチの録音はあるのか、など、鋭い質問をを受けました。

まず、なぜ YouTube のサイトに大量の動画を投稿したのかどうか、というのを確認してみました。
彼はロシアの南の町、ロストフ・ナ・ドヌの出身です。日本ではあまり名前が知られた町ではありませんが、ラフマニノフ記念国立ロストフ音楽院が存在しており、モスクワほどの知名度はないものの、確かな音楽教育がされているまちです。彼の師匠である、Sergei Osipenko氏は Lev Oborin 門下の名教師で、代表的に教え子にはエリザベート王妃国際音楽コンクールを優勝したアンナ・ヴィニツカヤや、高松国際ピアノコンクールを優勝したアレクサンドル・ヤコブレフ、さらにはデニセンコ氏と同じく仙台国際音楽コンクール出場のダリア・パルホーメンコなどがいます。門下生によるコンサートも行われており、弟子からも大変尊敬され、愛されている教授です。
それほど音楽が盛んであるロストフ・ナ・ドヌでありながら、デニセンコ氏は、スルタノフの名前が全然知られていなことにショックを受け、そういう状況を正すために YouTube への動画を投稿しはじめたとのことです。元となった音源などは、モスクワに行った時にスルタノフ弟のセルゲイ氏に会ってもらったそうです。
なお彼は本来 Wolfgang527 という名前を使っていましたが、現在ハンブルグ音楽院で勉強する中、wolfgang という名前が紛らわしいという理由で、最近 AndreyDenisenko に変更したそうです。

彼自身は、スルタノフのレパートリは意図的に敬遠しているようです。サイトにあがっている彼の録音や、浜松や仙台での演奏曲は、明らかにスルタノフのレパートリとは重なっていません。本人に話してみたところ、「スルタノフがあまりに完璧に弾いているので、意図的に弾いていないんだよ。例外といえば、今回本選で弾く予定だったラフマニノフの2番の協奏曲と、リストのソナタくらいかな」と言っていました。そういえば、スルタノフの弟のセルゲイ氏も、敢えて兄のレパートリは弾かない方針のようですから、一言にスルタノフファンといっても、スルタノフのレパートリを弾く人から意図的に外す人まで、いろいろな付き合い方があるようです。
日本でスルタノフのトリビュート・コンサートをしているという話をしたところ、それにも興味があるようですし、モスクワやクラクフでも、可能なら参加してみたいという思いもあるようです。

デニセンコ氏は、スルタノフの1998年のチャイコフスキーコンクールの審査結果についても、同じロシア人として、言いたいことがあるようでした。

デニセンコ氏は、音楽一家に生まれており、父親は演奏家としてだいぶ前に来日したことがあり、その話を聞いて日本に長らく憧れていた、とのこと。また、母親は家で子供の生徒にピアノを教えていて、3歳年上のお姉さんはもともとピアニストだったものの、今はモスクワで写真家をしているようです。
さて、ここで1つ大変興味深い話を聞きました。

YouTubeにおけるスルタノフ貢献では、重要なアカウントが3つある、という話をこのブログでも過去にしました。1つは、スルタノフ夫人であり、もう1つはデニセンコ氏。そして、もう1つは、Lena もしくは Elena と呼ばれる人で、harmony14447 というアカウントです。きっとスルタノフファンの皆様も、1度はお世話になったことがあるでしょう。

この、harmony14447 さんの正体について、デニセンコ氏が教えてくれました。
セルゲイ氏も知らないといっていた、この Elena さんの正体ですが、なんと、デニセンコ氏のお母さまである、ということがわかりました。

親子そろって、熱烈なスルタノフへの応援をありがとうございます!
デニセンコ氏は残念ながら今回のコンクールは敗退となってしまいましたが、彼の今後の活躍を皆さん応援しましょう!



posted by Murakami at 15:37| Comment(0) | 一般
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