スルタノフの得意レパートリの1つにショパンのバラード第4番があります。
幸いにして、この曲の録音はわりと残されているのですが、少し整理してみます。
まず、最初に弾いた時期ですが、これはあまりはっきりしていません。子供の頃はバラード1番は弾いていたようですが、4番については記録がありません。
私の手元にある記録では、「1990年1月10年 ミュンヘンのHercules Hallで演奏したかもしれない、とありますが、例えば1990年5月3日のカーネギーホールなどを含め、このクライバーンコンクール優勝記念コンサートシリーズでは、弾かれたという記録は基本的に一切ありません。録音も残っていません。
その次は、1991年8月にTELDECのCDに録音したものになります。
このCDで聴ける演奏は、後ろで紹介する3つのライブ録音に比べると、別人のような演奏です。(この曲目に限らず、このCDの演奏はライブの演奏とはだいぶ異なります)
一般的に私たちが聞いているのは、1995年のショパンコンクールのライブ録音、1996年の東京公演のライブ録音(1996/3/28)、1999年のワルシャワ公演のライブ録音(1996/10/6) の3種類でしょう。
ショパンコンクールの1次予選での演奏は、コンクール補正が多少かかっていますが、同じく1次予選で弾いたエチュードとあわせて、この年のコンクールの優勝者を確信させるに十分な、コンクール史に残る名演だと思います。
時間軸的には、その後の1999年3月に日本公演で弾いた演奏が次になります。
ショパンコンクールの演奏に似てはいますが、演奏会用の細かい工夫が入っています。
(動画は残念ながら途中で切れていますが、同じ録音を「伝説の日本ライブ」のCDでも堪能できます)
最後は、その年の秋のワルシャワ公演のビデオです。基本的に上記の演奏と近い表現ですが、はっきりした違いも見えるので(例:1:58あたりの内声など)、そういう違いなども楽しめるとよいと思います。
2019年04月28日
ショパン:バラード第4番
posted by Murakami at 20:38| Comment(3)
| 演奏
私はこのCDを聴いてないので何も言えませんが、コンクールの演奏のようならこんな感想じゃないはず!?と思ってました。
別人のようなんですね。。。
そうですね、演奏の評価は主観で分かれるところだと思いますが、このCDの演奏は、コンクールでの演奏や、残されたライブ録音とはだいぶ異なります。だからといって悪い演奏とは思いませんし、深みのある演奏になっている曲も多いです。
こういう録音をした理由も、いつか解明したいと思います!
ショパコンがコンクール用に補正が入っていたというのは、納得です。はい。