スルタノフが弾いてきたホロヴィッツ編の曲を見てみると
- 1989年頃より、メフィストワルツ第1番
- 1992年頃より、ラフマニノフのピアノソナタ第2番
- 1999年より、ハンガリー狂詩曲第2番
と披露され、その後2000年になり、死の舞踏、カルメン変奏曲、結婚行進曲、さらには変わり者の踊り、と次々レパートリに含まれるようになりました。
この他、録音は未発見ながらも、ハンガリー狂詩曲の第15番や第19番、さらに星条旗よ永遠なれはレパートリに入っていたと言われています。特に星条旗に関しては、アメリカ国籍を取得した場合、その記念セレモニーで演奏する予定があったという噂もありました。
この背景には、1999年の公演活動で楽譜を入手したのではないか、と言われています。特に日本公演ではサイン会などで、実に多くのギフトがファンの方々から手渡されていました。
当時スルタノフのオフィシャルホームページに公開されていたレパートリリストを日本語にしたのが以下になります。(このレパートリリストは、後々の証言からすると、練習中のものも含まれていたようですが)
アレクセイ・スルタノフ ソロレパートリ
さて、スルタノフが弾かなかったホロヴィッツ編曲の代表的なものは、「展覧会の絵」でしょう。
これについては、「弾かなかった」というか、「2000年当時、展覧会の絵の採譜されたものがまだ流通されていなかった(もしくは世の中に存在していなかった)」というのが正しいかもしれません。一体スルタノフが弾いたら、どんな風に演奏されていたか興味深いですし、今も演奏活動をしていたら、きっと披露されていたことでしょう。
このムソルグスキー=ホロヴィッツの展覧会の絵ですが、3月31日(日) の "Tribute to Sultanov Vol.5" コンサートにて、スルタノフ研究家とも言える今泉響平氏が演奏します。
また、スルタノフが演奏しなかった他のホロヴィッツ編として、オーベルマンの谷、さらには波の上を渡るパオラの聖フランチェスコもあわせて演奏されます。
大変貴重な生演奏の機会ですので、ご興味ありましたら是非以下のコンサートへご来場ください。
Tribute to Sultanov Vol.5 〜今泉響平 CD発売記念リサイタル〜
2019年03月17日
スルタノフが弾かなかったホロヴィッツ編
posted by Murakami at 18:00| Comment(6)
| 演奏
私がピアニストアルクセイ・スルタノフ氏
を知ったのは、お恥ずかしながらごく最近のことです。
ある方のブログで"スルタノフ氏がすでに無くなっていた。とても好きだったピアニストだったのに残念でならない"と。
そもそもその方に辿りついたのは
ショパンコンクールを検索していてなのですが、その方のブログに1995年のコンクールの詳細(スルタノフ氏について)が紹介されており、"そんな聴衆を魅了するような演奏"をするスルタノフ氏に興味をもち
youtubeで探しまくりました。
コンクールでの演奏を実際に聴き
どの課題曲も本当に素晴らしく、本選の協奏曲2番を聴いた時には涙が出てしまうほど
感激してしまいました。
指の動きにも感動です。
それからは、もう他のリサイタルの動画も探しまくって聴いています。
彼の情報も検索して
少しでもどんなピアニストだったのかと
先日、本まで購入してしまいました。
毎日毎日飽きることなく
youtubeで聴いて、検索してを繰り返し
ここに辿りつき、コメントを書かずにはいられませんでした。
彼の生い立ちから学生時代のこと
コンクールのこと、演奏活動のこと
病に倒れながらも奥様に支えられた晩年のことなどを知ると、ますますファンになりました。実際のリサイタルを聞けなかったことが残念でなりません。
でも、20年経ってもその当時のコンクールの音源を聴くことができて
本当に幸せです。
動画や音源は限られてはいますが、YouTubeにかなり網羅性高く掲載されていて、いろいろとお楽しみ頂けると思います。
スルタノフの演奏を今も聴いて下さり、そして興味を持って下さってありがとうございます!
コンチェルト賞のみならず
ポロネーズもマズルカもソナタだって
素晴らしかったのに…
指の動き、抑揚のつけ方、強弱、ペダル操作まで。。素晴らしかった。。。
ところで
ソロレパートリーの中に
ベートーベンの"月光"が入っているんですね。私は月光が大好きで、スルタノフ氏が奏でる月光是非聴いてみたいと思っているのですが、なかなか音源が見つかりません…
ソロレパートリの月光の件ですが、こちらは演奏活動していたころのホームページのレパートリリストから確認したものですが、私が把握している限り録音はまだ耳にしたことがありません。若い頃の演奏でもよいので、何らかご家族のところに残っているとよいですね。
若き頃の演奏も色々聴かせていただいてますが、若いエネルギーに満ちていて
それでいて繊細な音だったり…でこれまた魅力的ですよね。