実は、いまだに実現には至っていませんが、スルタノフの名前を冠にした、コンクールも検討されているのです。以下の記事から抜粋します。
Music Culture of the 20th Century Uzbekistan
アレクセイ・スルタノフを記念した「若い音楽家のための国際コンクール」を実施しようという動きがある。このアイディアが実現し、彼の名前が美しい音楽祭の中で永遠に残ることになれば、どれだけ素晴らしいことであろうか。
これは、実に素晴らしいことだと思います。今では世界中に国際コンクールが大量にありますが、ウズベキスタンには大きな国際コンクールはありません。例えばAlink-Argerich Foundationのコンクール検索でも国として選択肢がない状態です。お隣カザフスタンには、アルマティ国際ピアノコンクールなど知名度の高いものもありますが、タシケントにはないのです。
ウズベキスタンからは、スルタノフはもちろん、イェフィム・ブロンフマン、ベフゾド・アブドゥライモフ、スタニスラフ・ユデニッチ、アンナ・マリコヴァなど、世界的に活躍するピアニストが大量輩出されているわけであり、国として1つ大きいコンクールを持っているかどうかは大きな影響があると思います。スルタノフ記念コンクールは、まさにそんなウズベキスタンに必要とされるコンクールだと思います。
上記の記事は2010年に執筆されたものでその後8年が経過していますが、まだ実現される見込みはありません。しかし、スルタノフの弟のセルゲイ氏に話を聞いてみたところ、実現は容易ではないものの、やはりこういった動きはあるとのことです。ウズベキスタンの文化関係者とも会話は行われているようですが、今後に期待しましょう。このコンクールを開催することは、セルゲイ氏の夢の1つであると聞いています。
さて、もしコンクールが開催されるとしたら、気になるのは、審査員や課題曲、そしてどういう参加者が集まるかどうか、というところです。やはり、アカデミックな解釈にこだわりすぎず、真の音楽の美しさを追求する、という評価基準で審査されるのでしょう。
審査員や課題曲については、スルタノフのキャリアなどを考えつつ、ファンの皆さん各自、いろいろな妄想が出来るのではないでしょうか。私も、誰を審査員に呼べばいいのか、また、課題曲を何にするのか、などを妄想すると、わくわくします。
実現に向けてのハードルはかなり高いのでは、という意見がありつつも、スルタノフのように、新しい挑戦に恐れることなく、際限ない芸術的な高みを目指せる若い音楽家を、スルタノフの名前のついたコンクールで発掘する。こんな素晴らしい企画を是非実現させたい場合は、是非、スルタノフのご家族などと話す機会があったときに、その思いを伝えてあげて下さい。日本からご支援出来ることがどれだけあるかわかりませんが、一言一言の前向きな意見が、きっと関係者への原動力となると思います。
※以下はSNSのために作成した妄想ロゴです。