2019年11月24日

奏法に関する記事のご紹介

ロシアピアニズムを研究されている丸尾祐嗣さんが、「重力奏法を実現したピアニストたち」というタイトルで記事を書かれていますが、その中にスルタノフの記載もありご紹介したいと思います。

重力奏法を実現したピアニストたち

是非YouTubeで実演を見てみるとよいと記載されていますが、資料がなかったので、撮影角度や技術のバリエーションという点で、当ブログでは例えばこのリストのピアノソナタをご紹介してみたいと思います。
5:44あたりから、フレーズも美しいですが、タッチなど参考になります。
この動画は左手側からアップになるシーンも多く、スルタノフの立体的な音楽を支えているバスの出し方なども参考になります。
上記の記事を参考にしながら動画を視聴すると、より多くを学ぶことが出来ると思います。



スルタノフと同門のレフ・ナウモフ門下からは、アレクサンダー・コブリンとイリヤ・イーティンが紹介されています。
ナウモフ門下には、ガブリーロフやババヤン、ウラシンなど、有名ピアニストが並んでおり、研究はつきないことかと思います。
posted by Murakami at 10:52| Comment(0) | 一般

2019年11月17日

ホロヴィッツ 全録音をCDで聴く

「ホロヴィッツ 全録音をCDで聴く」という新刊が発売されました。その名の通り、ホロヴィッツの全録音について、その演奏や音質についてと、著者の感想・意見などが書かれていて、大変興味深い内容になっています。章の間にはちょっとしたコラムがあり、いずれも興味深いのですが、スルタノフファンとしては、「ホロヴィッツを知る4 作曲と編曲」が是非知っておくべき情報満載です。スルタノフがレパートリとしてきた、ホロヴィッツの各種録音の解説もありますし、また、巻末の全録音リストを見ると、この曲は弾いてみたのかな、など想像も膨らみます。
全録音の解説があるため当然ではありますが、1986年のモスクワ公演についても細かい記載があり、そのプロジェクトがどのように進行したか、から、モスクワでの公演がどのようなものであったかの詳細が記載されています。どれくらい詳細か、というと、コンサートに潜り込んだスルタノフ夫妻の話まで入っているほどです。
さらには、晩年のホロヴィッツが、若きクレショフやスルタノフと、どのように接したかのかについても、記載されています。当ブログでも、スルタノフ側の視点から、ホロヴィッツとの接点をご紹介したことがありましたが、ホロヴィッツの人生の時間軸で見ていくと、こちらもまた面白いです。

全500ページの力作で、スルタノフの書籍と同じく、アルファベータブックス社から出版されています。
ご興味ある方は、是非読んで頂くと、いろいろと興味深いことが学べると思います。
スルタノフが生きていたら、熱狂的なホロヴィッツファンの1人として、きっとこの書籍を手にしていたことでしょう!


以下は当ブログで過去に紹介してきた、スルタノフとホロヴィッツに関するお話です。こちらも、ご興味あればご覧ください。
スルタノフとホロヴィッツ(妻 Daceとの出会い編)
スルタノフとホロヴィッツ(ご対面編)
スルタノフとホロヴィッツ(ホロヴィッツのピアノ編)
スルタノフとホロヴィッツ(ホロヴィッツ編を弾く)
スルタノフの演奏に見るホロヴィッツの影響(モーツァルト)
スルタノフの演奏に見るホロヴィッツの影響(モーツァルト)その2
スルタノフとホロヴィッツ(番外編)
posted by Murakami at 23:14| Comment(1) | お知らせ