2019年01月20日

デビュー公演について

以前、モーツァルトの K.382 の録音をご紹介しましたが、この曲目はスルタノフのデビューでもあります。

YouTube上に少年時代のスルタノフが演奏した録音がありましたので、それをご紹介したいと思います。


実はこの録音は、私もCDでご家族より、まだYouTubeが存在しなかった頃に頂きました。スルタノフのご家族は過去の録音をプライベートCD化されており、弟さんや奥様が配られています。私の手元には、両方の版があるのですが、奥様から頂いたCDの写真も折角ですのでご紹介したいと思います。

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ところで、スルタノフがこの曲でデビューしたのは 1977年5月であり7歳の時だったと知られていますが、このCDやYouTubeには8歳という記載があります。この5月のデビューについてご家族が録音を持っているのは間違いないのですが、この公開音源なのかどうかは定かではありません。おそらく、記載の誤りで、この録音は1977年5月の演奏、つまり7歳の時の演奏ではないかと思います。指揮者はV. A. Belenky.の可能性が高いと見ています。

この録音は現在デジタル化されて残されているスルタノフの録音の中で、最も古いもののはずです。まだナウモフ先生とは出会う前で、ポポヴィチ先生からたたき込まれたピアニズムと、持って生まれた音楽性のみで出来上がった演奏です。是非お楽しみ下さい。
posted by Murakami at 00:18| Comment(0) | コンサート

2019年01月13日

モーツァルト:ピアノ協奏曲第20番 K.466

前回モーツァルトの演奏をご紹介しました。(モーツァルト:ピアノと管弦楽のためのロンド ニ長調 K382

この時の公演(1994年の11月18-19にテキサス州エルパソ)で弾いた、モーツァルトの20番の録音も貴重なものとして残っています。モーツァルトの20番はスルタノフは子供の頃から弾いており、10歳の頃の録音も残されています。これは、タマーラ・ポポヴィチ門下の他の神童も弾いていることを見ると、ポポヴィチ先生の教育方針だったとも見えます。
この曲は、大人になってからも時々弾いていますが、記録を見る限りその機会はかなり限られています。1999年4月9日、ポーランドのカトヴィッツェでの演奏(ポーランド国立放送交響楽団。指揮:Gaetano Delogu)がポーランドのラジオで放送されたことがありますが、今現在流通されている音源は、このYouTubeにある1994年のもののみと言えます。



録音状態にはほんの少し惜しいところがあるのですが、あちこちにスルタノフの工夫が満載であることがよくわかります。その工夫により、曲は大変魅力的に加工されており、モーツァルト自身このような演奏を望んだのではないか、などと称賛されています。カデンツァはベートーベンを使っています。演奏は全般的に1999年の録音と同じようなスタイルで弾かれていますが、カデンツァのトリルの弾き方など異なっているところもあり、5年間で演奏スタイルがどのように変わったかなどの研究対象としても重要です。

この曲が日本で演奏された記録はないと思いますが、この貴重な録音がこうして残されていることに感謝しつつ、是非演奏をお楽しみ下さい。
posted by Murakami at 23:09| Comment(0) | 演奏

2019年01月06日

モーツァルト:ピアノと管弦楽のためのロンド ニ長調 K382

とあるインタビューによると、モーツァルトはスルタノフのお気に入りの作曲家の1人であり、レパートリも豊富にあると語られていたことがあります。実際にはそれほどレコーディングは残されておらず、また公式なレパートリリストとのギャップもあります。

今日は、モーツァルトの貴重な録音をご紹介したいと思います。



この録音は 1994年の11月18-19にテキサス州エルパソで公演した時の録音です。同じ公演で、モーツアルトの20番も弾いています。指揮はGurer Aykalで、El Paso Symphony Orchestraになります。

この録音は以下の2点で非常に貴重です。
1) モーツアルトの K.382 はスルタノフが7歳の時のデビュー曲でもある
2) この演奏のカデンツァはスルタノフの自作である(多分)

スルタノフのデビュー録音は一応残されており、これと聞き比べることで研究が出来そうです。また、大人になってからこの曲を演奏した唯一の記録であるという点でも貴重です。
演奏は、いかにもスルタノフが弾いたモーツアルト、という印象であり、ニ長調の明るさが幸せいっぱい見事に表現されていると思います。是非お楽しみ下さい。
posted by Murakami at 18:02| Comment(0) | 演奏

2019年01月02日

2019年、今年もどうぞよろしくお願いいたします

スルタノフブログを応援して下さっている皆様へ。
毎週このブログをお読み頂きまして、どうもありがとうございます。昨年より始めたこのブログですが、多くの方の応援によって1年間継続することが出来ました。

スルタノフは1969年生まれですので、2019年は生誕50周年となる記念すべき年でもあります。
私たちスルタノフ支援会も、それを盛り上げるために、このブログを書くことの他にも、スルタノフを深く知ってもらうための企画を実現していこうと思っています。

【コンサート企画(その1)】
今年の3月31日(日)には、以下のコンサートを開催する予定でいます。
Tribute to Sultanov Vol.5 〜今泉響平 CD発売記念リサイタル〜
スルタノフが得意としたホロヴィッツ編のレパートリを中心に、記念イヤーを盛り上げる熱いコンサートを目指します。チケットは現在予約開始しておりますので、お気楽にご連絡下さい。

【コンサート企画(その2)】
8月31日(土)には、都内でスルタノフ生誕50周年を記念するコンサート・イベントを開催したいと検討中です。スルタノフに関連するピアニストによる、ガラコンサートにしたいと考えています。
詳細はいずれこのブログでもご紹介したいと思いますが、もしご興味がある方は手帳に日程を記載しておいて頂けるとありがたいです。

【ファンの交流会】
以前はやっていたのですが、コンサートとは別に、ファンが交流できる場をまた作ろうか、とも考えています。もし希望される方が多ければ前向きに検討してみようと思いますので、お声をかけて下さい。
実施する場合は、8月中にやりたいと考えています。

【スルタノフに関する質問募集】
スルタノフについて、こんなことを知りたい、というのがあれば、ゴシップ的な話から、専門的な話まで何でもお問い合わせ下さい。もちろん私たちが回答出来ないことはたくさんありますが、ご家族などに確認することは出来ます。
どういう幼少期を過ごして、どのような練習をするとああいうピアニストが出来るのか、など、少しずつ解明していきたいと思います。


スルタノフが最後に来日したのは1999年ですので、今年は生演奏を最後に聞いてから20年がたつことになります。昨年もいろいろな方とお話をさせて頂きましたが、スルタノフを知っている、覚えているという方も多いですし、中には、1995年のショパンコンクールを現地で聞いたという方とまでお会いすることが出来ました。予選で弾いたワルツ1番を今でもよく覚えています、と幸せそうにおっしゃってくれて、こちらも嬉しい思いでした。

メモリアルイヤーとなる今年も、引き続きまして応援をどうぞよろしくお願いいたします。
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posted by Murakami at 16:08| Comment(0) | お知らせ

2018年12月30日

アンコール (シューベルト 即興曲第4番 op.90-4)

スルタノフが1999年によく使ったアンコールの1つは、シューベルトの即興曲です(op.90-4)。
1999年のツアーは、基本的にリストのソナタを中心にしたものでしたが、微妙に曲目を変えてプログラミングしており、互いに弾かなかったものをよくアンコールで弾いていました。このシューベルトの即興曲も、アンコールでよく演奏されたものの1つです。おそらく作品4曲中、他のもレパートリには入っているとは思いますが、録音が残されたのはこの4曲目だけです。とはいえ、スルタノフらしさを象徴する演奏となっています。



この演奏は、オクターブや裏打ちなど、かなり手が加えられていて、「スルタノフ編」と言ってもよいかと思います。
好き嫌いの好みは分かれそうですが、一度は聞いてみる価値のある演奏です。ご家族によって残された貴重な録音をお楽しみ下さい。

さて、このスルタノフ編の解釈での演奏ですが、来年3月のスルタノフ記念演奏会である、"Tribute to Sultanov Vol.5" にて演奏されます。ご興味がある方は是非 3/31 に MUSICASA へお越し下さい。数々のホロヴィッツ編曲と共に、ウィットの聞いたシューベルトをお楽しみいただけると思います。

Tribute to Sultanov Vol.5 〜今泉響平 CD発売記念リサイタル〜
posted by Murakami at 12:08| Comment(0) | 演奏