2019年12月31日

2019年、今年1年どうもありがとうございました

2019年はスルタノフ(1969-2005)の生誕50周年でした。いつも当ブログを応援して下さっている皆様に感謝申し上げます。

今年の8月7日まで、別名「週刊アリョーシャ」として、このブログを毎週1本投稿することは、ここ数年の目標でした。今後少しペースを落とすものの、スルタノフを愛する日本のファンのために、情報提供を続けていきたいと思います。

今年はメモリアルイヤーであったこともあり、いろいろな活動がありました。

まず3月には、「Tribute to Sultanov Vol.5 〜今泉響平 CD発売記念リサイタル〜」を実施しました(終了報告)。スルタノフファンだけでなく、ホロヴィッツファンの方々にも会場へお越し頂き、音楽を共有出来たことはよかったです。また、このコンサートがきっかけとなり、「ホロヴィッツ 全録音をCDで聴く」の中で、スルタノフに関する内容も言及されたことは喜ばしいことです。

5月にはテキサスでスルタノフのトリビュートコンサートが開催されました。こちらも毎年のことですが、Daceさんが大変精力的に活動されています。フォートワースにスルタノフの噴水を作るというプロジェクトの進行状況も報告されました。なお、Daceさんはこの年末に、テキサスから別の町へ引っ越しされるという話もあります。今後アメリカのサポートコミュニティがどのようになっていくかは、当ブログでも報告していきたいと思います。

同じく 5月には、ピアニストの今泉響平さんが、スルタノフ版の楽曲が含むCDを発売されました。収録された楽曲はこれまで Tribute to Sultanovシリーズでも演奏されてきました。是非ご本人にも聞いて頂きたかった力作です。

6月には、仙台国際音楽コンクールで来日していた、スルタノフファンの、アンドレイ・デニセンコ氏との交流企画を実施しました(終了報告)。大変フレンドリーなデニセンコ氏との交流で、スルタノフというピアニストを通じて、日本とロシアの距離がまた1つ縮まることになりました。

さらに6月には、ピアニストの日高志野さんが、スルタノフの故郷タシケントでコンサートに出演したことをご紹介しました。そして、この演奏会がスルタノフ作によるモーツァルト協奏曲カデンツァの本人以外の初演ということになります。歴史的なイベントでした。日高さんは、ウスペンスキー音楽学校とも交流をしてきて下さり、私たちの理解もますます深まりました。

8月には今年の最重要企画であった、Tribute to Sultanov 特別版を開催し、豪華4組のピアニスト、さらには若い学生たちによるスルタノフイベントを開催することが出来ました(終了報告)。
このコンサートを世界に紹介することをきっかけに、ロシアのスルタノフファンの方々ともコミュニティ同士交流することが可能になりました。

9月にはポーランドのクラクフで、スルタノフの生誕50周年をもお祝いに含む、Sfogato国際音楽祭が開催されました(終了報告)。日本のコミュニティを代表して、ポーランドの代表、および弟のセルゲイ氏と3人で連弾を行いました。
さらに、プライベートな話ではありますが、その後モスクワではスルタノフファミリーと会食をし、交流を深めて参りました。

12月にはロシアのオムスクで、スルタノフの名前を冠にした音楽イベントが開催されました。

今年は各種イベントを企画出来たこともよかったですが、世界中のスルタノフファンと大きく繋がることが出来ました。これは、日本がこれまで実施してきたイベントを世界に紹介出来た、という意味でもあり大変よかったです。
日本はロシアに比べてイベントは開催出来ているものの、ロシアにはスルタノフの音楽を真に愛するファンがまだたくさんいるのだ、ということをよく理解しました。彼らとともに、世界レベルの新しい活動も今後生まれていくと思います。

来年2020年は、スルタノフの没後15周年の記念イヤーでもあります。日本では特にイベントを今のところ企画しておりませんが、世界中でまた何らかイベントが開かれるでしょう。当ブログでは、そこらへんも、またお伝えしていきたいと思います。

本年1年、ブログをお読みいただきどうもありがとうございました。また来年も、どうぞよろしくお願いいたします。
posted by Murakami at 16:25| Comment(0) | 一般

2019年12月26日

ロシア・オムスクの芸術学校で開催されたアレクセイ・スルタノフイベント

ロシアにオムスクという都市があります。そこの音楽学校でスルタノフの名前を記念した音楽祭・コンクールが開催されました。このイベントは、オムスク第10芸術学校のピアノ科長 Tatiana Zubkovaさんの提案で始まり、これに賛同する芸術学校によるイベントになりました。

まず11月23日には、オムスクの第5芸術学校で、ピアノ科の生徒たちによるスルタノフに捧げたコンサートが開催され、ショパンやプロコフィエフが演奏されました。コンサートでは、スルタノフの生涯が紹介されたほか、演奏の動画なども流れました。

12月14日、オムスクの第10芸術学校ではコンクールが開催されました。会場にはスルタノフの写真が用意され、TV局も入りました。1年生から9年生までの、合計63人が参加し、出場者全員に、スルタノフの写真が入ったディプロマ賞状、また小冊子が渡されました。

12月16日には、続いて第4芸術学校でコンクールが開催されました。この学校では毎年12月に冬の学内イベントとして音楽祭を行っていますが、今年はスルタノフの生誕50周年を記念して、特別な形で行われました。コンクールは、スルタノフが演奏する「革命のエチュード」から始まりました。

12月20日には、第13芸術学校でコンクールが開催されました。

このイベント全体に関して、オムスクの第10芸術学校のサイトでレポートがあがっています。
ロシア語で書いてありますが、そこで紹介されている多くの写真は感動的ですので是非以下のページをご覧ください。
Новости 23.12.2019 Памяти Алексея Султанова

そして、この内容がテレビで放映されました。この特集には、なんと、マツーエフのインタビューも入っています。
マツーエフはスルタノフが参加した1998年のチャイコフスキーコンクールで優勝していますが、ロシアの音楽ファンからは、この時ドレンスキー教授の生徒がファイナリストの多くを占めたことに疑問を持つ人も多いです。
ロシアのピアノ事情に詳しいロシア人によると、マツーエフがスルタノフについて何かを語ったのは、初めてではないか、とのことで、大変貴重な内容です。そのインタビューの中でマツーエフはこのようなことを言っています。
類い稀な才能を持ち、ロシアン・ピアノ・スクールを代表する1人だったと思います。彼はモスクワ音楽院で、レフ・ナウモフ教授に学び、ヴァン・クライバーンコンクールで優勝し、アメリカに住み、世界中で演奏しました。私は幸いにも彼をよく知っています。不幸にして、彼は若くして亡くなってしまいました。私は、自分は彼のファンだったと言えるでしょう。

ということです。インタビューへの回答であったとしても、マツーエフがスルタノフのファンだった、と言ったことに、多くのロシア人スルタノフファンが驚きを隠せずにいます。

以下が、その放映内容になります。ロシア語ではありますが、是非コンクールやマツーエフのインタビューなど、その雰囲気を感じてみて下さい。
posted by Murakami at 21:50| Comment(0) | コンサート

2019年12月18日

音源を判定する

先日YouTubeを歩き回っていると、ふと以下の録音を見つけました。



この録音、確かに2ページ目のところで、スルタノフの有名な内声弾きを行っているのですが、何回聞いても、私にはどうもスルタノフが弾いている気がしません。
そもそも情報として、1989年に17歳ではないというのもありますし、"SUPER RARE"としているのも怪しいです。

一方で、こちらはスルタノフが演奏した録音です。

もちろんライブの熱気もありますが、スルタノフらしい躍動感やリズムの取り方にあふれていると思います。

ふと気になって、詳しそうなロシア人2名に聞いてみましたが、彼らもスルタノフの録音ではない、といいます。
皆さんはどのように思いますか?お時間があったら、上の2つを聞いてみて下さい。
posted by Murakami at 21:36| Comment(3) | 演奏

2019年12月01日

1997年の東条町文化会館(コスミックホール)での来日公演の情報

スルタノフの来日公演については、当支援会のホームページにてまとめておりまして、その中に 1997年の情報も掲載しております。

1997年、アレクセイ・スルタノフ来日スケジュール

さて、読者様の中で、この1997年公演最初のコンサートである東条町文化会館(コスミックホール)での公演に行かれた方が、その時の資料をご提供して下さいました。ご興味のある皆様とも共有させて頂きたいと思います。

3月16日 東条町文化会館(コスミックホール) 18:30開演
全席指定 一般 3,500円 / 高校生以下 1,500円 (当日 500円増)
ハイドン: ピアノ・ソナタ 変ホ長調 Hob.XVI-49
ショパン: バラード第1番 ト短調 作品23
ショパン: スケルツォ第1番 ロ短調 作品29
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チャイコフスキー:ドゥムカ ハ短調 作品59 「ロシアの農村風景」
プロコフィエフ :ピアノ・ソナタ第7番 変ロ長調 作品83

まず以下は、当日のチラシです。基本的な構成は、1997年の東京公演と同じデザインのようですね。
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そしてこちらは会場で配られたものでしょうが、「音楽の友」1996年3月号に記載されたものから、スルタノフのエピソードが記載されたものになります。85年のショパンコンクール、86年のチャイコフスキーコンクール、89年のクライバーンコンクール、そして95年のショパンコンクールについて、かなりの情報が記載されていて一読の価値があります!
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最後に、当日のプログラムです。
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メモとして記載がありますが、アンコールは以下の4曲だったようです。
- ショパン:幻想即興曲
- ショパン:小犬のワルツ
- バッハ:平均律(第1巻より第1番プレリュード)
- ショパン:革命のエチュード

鳴りやまない拍手にこたえて、4曲のアンコールを弾いたのでしょう。貴重な記録だと思います。
情報ご提供者様に感謝申し上げます。

また、もしこのように、スルタノフ来日時の、チラシ、パンフレット、また写真や録音、サイン、などをお持ちの方がいらっしゃれば、是非ご連絡下さい。
posted by Murakami at 21:26| Comment(0) | 歴史

2019年11月24日

奏法に関する記事のご紹介

ロシアピアニズムを研究されている丸尾祐嗣さんが、「重力奏法を実現したピアニストたち」というタイトルで記事を書かれていますが、その中にスルタノフの記載もありご紹介したいと思います。

重力奏法を実現したピアニストたち

是非YouTubeで実演を見てみるとよいと記載されていますが、資料がなかったので、撮影角度や技術のバリエーションという点で、当ブログでは例えばこのリストのピアノソナタをご紹介してみたいと思います。
5:44あたりから、フレーズも美しいですが、タッチなど参考になります。
この動画は左手側からアップになるシーンも多く、スルタノフの立体的な音楽を支えているバスの出し方なども参考になります。
上記の記事を参考にしながら動画を視聴すると、より多くを学ぶことが出来ると思います。



スルタノフと同門のレフ・ナウモフ門下からは、アレクサンダー・コブリンとイリヤ・イーティンが紹介されています。
ナウモフ門下には、ガブリーロフやババヤン、ウラシンなど、有名ピアニストが並んでおり、研究はつきないことかと思います。
posted by Murakami at 10:52| Comment(0) | 一般